第12話 モーグリのぬいぐるみ 3/3
気になると尋ねずにはいられない。これがウォーリア・オブ・ライトである。ティナが所持しているモーグリのぬいぐるみが気になって仕方がないのだ。
閉じ込められてから数時間、ウォーリアはとうとう尋ねた。

「ティナ、そのぬいぐるみは一体なんだ」
「えっ?ただのぬいぐるみよ?」
「・・・・・・貸してくれないか?」

貸してくれないかと言うよりも奪うようにモーグリのぬいぐるみを借りる。そして、ウォーリアはモーグリのぬいぐるみの頭を胴体から引きちぎって外した。
あまりに酷い光景にティナの顔が青ざめる。そして、ティーダもオニオンナイトもこれには思うところがあった。
冷静に胴体に手を突っ込んだウォーリアは、中から黒いものを取り出す。それが異質なものであると三人は気づいた。

「クリスタルか・・・・・・」
「く、クリスタル!?
どうしてそんなものがここに!?」
「モーグリのぬいぐるみを寄越したのはここの金髪の野郎っスよ!!」
「嫌・・・・・・闇の力が強い」
「『どうしてそんなものが』はこちらの台詞だがな」

四人は牢屋の外を見た。
スーツの男がレイナにナイフを向けて立っている。殺気は隠しているのだろうが、ウォーリアには正確に感じ取れていた。不審な行動をしたら、躊躇いなく致命傷を負わせにかかると。
止まった空気は男の発言で動き出した。

「クリスタルを寄越せ。人質なんて真似はしたくなかったんだが、仕方がない。」
「レイナ、私のミスだ。クリスタルは渡す。
それよりそのカエルはなんだ?」
「は?そんな手に乗るわけ」
「別に見なくてもいいけど、猛毒持ちのカエルじゃない?」

ウォーリアとオニオンナイトの二人に言われて気になってしまう男は、一瞬だけ後ろを振り返った。
そこには本当にカエルがいた。カエルが男の顔をめがけて飛び、怯んだ隙にレイナが腹に勢いよく拳を入れる。背負った両手剣を構えたレイナは、剣で攻撃したのではなく蹴りで顎を狙った。当然脳震盪で気絶である。
走ってきた黄色い頭の彼が牢屋の扉を開ける。クラウドだ。
出てきたオニオンナイトは、カエルに向かってトードを唱えた。現れたのはセシルである。
セシルはポケットからひそひそうを取り出し呼び掛けた。

「カイン、バッツ、今だ!!」

次の瞬間、ビルの電気が全て落ちた。
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