第11話 侵入せよ、アジトへ 3/4
はじめの難関は、アジトに入ること。
フリオニールはウォーリアを縛ることに罪悪感を抱きながら、縄を強く引っ張りながらアジト前の兵士に声を張り上げる。少し感情が高ぶっていた方が本物らしく見えるのか。

「ポピュライトのリーダーを捕らえた。
至急中に入れていただこう!!」
「ほー!!手柄じゃないか!!
本物、なんだろうな?前に偽物つき出して牢屋行きになったやつがいたぞ」
「いや、問題ない。集めた情報と一致している。
上の連中に引き渡したいんだが、誰かいるか?」

レイナが、まさか引き渡したいと言い出したのはフリオニールも予想外だった。本当に引き渡されたら、どうやって取り返す気なんだ。

「あいにく今は下の奴等しかいないんだな〜
とりあえず牢屋に突っ込んでおけば?
地下一階の一番奥の部屋がいいと思う。
いいな、出世か〜出世したら彼女にプロポーズする予定が先を越されたな」
「はははっまだしばらくは先だな」
「くそ、はやくいけよ。絶対プロポーズしてやるんだからな」

レイナが上手く話を合わせるのを見て、心から感心したフリオニールは、ウォーリアを引っ張って中に侵入した。
内部に敵の幹部がいないと牢屋は地下一階という情報をいきなり手にいれ、階段を探そうとした。中に入り一発めに見たのは、広すぎるエントランス。一般人の立ち入りを禁止しているくせに、こんな広いエントランスはいらないのではないか。しかも奥にはエレベーターまである。しかし、エレベーターを見たことのないフリオニールとウォーリアはあくまで階段を探すつもりのようだ。エントランスが広すぎるため、不審な行動をしたらすぐに見つかりそうだ。

「エレベーターを使う」
「えれべーたー?」
「・・・・・・えっと、人や荷物を運ぶ機械、装置だ。私が使うから安心して。」

エレベーターのボタンを押し、到着まで待つ。
初めてのエレベーターに目を輝かせるフリオニール。監視カメラがあることを頭に入れずに、騒ぎ立てないことを祈りながら乗り込んだ。すぐに閉めるボタンを押した。
扉が完全に閉まる直前、片足を突っ込まれて扉がふたたび開いた。驚いたフリオニールとレイナは、心音が聞こえているのではないかというほど速くなる。
エレベーターに入ってきたのはスーツの男。他とは明らかに違うものを感じて、二人は冷や汗をかいた。

「それ、ポピュライトのリーダーだろ?
まさかとは思うが、例の三人を助けるための囮じゃないだろうなー
二人して厄介なものをつかまれたなら恥ずかしいぞ」
 TOP 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -