第9話 三人の行方 3/4
「いやー、いいんだよ。一般客が来てくれただけありがたいさ。
悪いのはあいつらであんたらではないさ。
こりゃ高値での宿はとれないな。わっはっは」

店主の好意を素直に受け取り、二人はこの事態をフリオニールたちに報告しようと部屋に向かおうとした。
しかし、またしても招かれざる客に遮られてしまった。次は明るい兵士、というよりもレジスタンスという方が似合いそうな雰囲気だ。
招かれざる客二人を見た店主は、一気に怒鳴り始める。どうやら過去に何かがあったようだ。
もしもこの二人が店主に手をあげたら守ろうと思ったが、二人は店主の話を黙って聞いている。

「お前たちポピュライトのせいで審判の野郎が押し寄せるし、商売は妨害されるし・・・・・・
オメーらのリーダーが変わろうが、やったことに変わりはないさ!!」
「・・・・・・なっ!!今のリーダーを侮辱するとは」
「お前、やめろ。リーダーに言われただろ?
連帯責任だと。武力を持たぬ一般人には手を出すなと。」

血の気の多そうな相方を冷静に止めて、こちらに律儀に頭を下げてきた。さっきの輩より遥かにマシらしい。
ちゃんと頭を下げて本題を話し出した。

「今、情報収集をしておりまして、ご協力お願いできないでしょうか」
「けっ、さっさと帰れ」
「あの、店主。僕ら旅をしている身としては情報が欲しいので、聞いてみてもいいですか?」

店主はしばらく黙ってから頷いた。彼らは嫌いでもセシルやカインのような旅人は別らしい。
顔を輝かせるポピュライトの二人は、元気よく話し出す。

「実は、『審判者』が不当に子ども三人を逮捕したという情報が入りまして、その三人について何か知ってることはありませんか。
喋り方や容姿、名前も知っていたらありがたいのですが」

不当に捕まった子ども三人と聞いたセシルとカインが真っ先に思い付いたのは、スコール、ジダン、バッツだった。しかし、すぐにあり得ないという結論に至る。
理由は、スコールが子どもには見えないから。フリオニール同様に、二十歳ではないと知った時の動揺はデカイ。そのうえ、ここに来てすぐに情報が出回るとは考えにくい。彼らがここに来た理由は、その捕まった子ども三人を助け出すためならもっとあり得ないだろう。ここに来たのは数時間前だ。
セシルとカインが首を傾げてすぐ、宿に新たな客が現れた。宿に入ってきたスコールとジダン、バッツは何やら新しい物を拾ってきて慌てている。

「セシル、カイン大変なんだ!!
ティーダたちが!!」

それを聞いたセシルはフリオニールたちを呼び出しに向かった。
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