第6話 食糧不足を脱出せよ 3/5
翌朝、早速ジタンとバッツが釣りに行きたいと言い始めた。近くの森に川があるそうだが、向かっている際に魔物に襲われたことをフリオニールは思い出しす。おいそれと許可はおろせない。すると、スコールがついて行かされるようだ。
ジャンクションで記憶が欠落するスコールは、極力ジャンクションはしたくないと思っている。しかし、仲間の危機ぐらいになら使ってもいいかな、と心で呟く。
それでも不安なセシルは、いざとなれば自分が盾になるつもりで同行することにした。
目を覚ました時、四人がすでに釣りに向かっていたことにレイナは心配したようだ。それと同時に言いそびれたこともある様子。家の中で食料を並べていたフリオニールとカインと共に言う。

「彼らが魚を持ってこないと、食事抜きだな」
「買いにいくにしても、金のあるセシルとスコールは釣り組だしね」
「・・・・・・」

カインは、何か思い付いたようで、自分の道具袋から葉っぱを出して、そこに向かって話しかけ始めた。一瞬、レイナとフリオニールには、カインがボケているように見えたのはいうまでもない。
不思議なことにその葉っぱから、セシルの声が聞こえてきた。
『なんだい、カイン』
「魚を釣ってこないと、今日の食事は抜きだ。
他の三人にも伝えてくれ」
「なんだ、その葉っぱは。この世界にはない」
『レイナもいるの?
ひそひ草だよ。遠くにいても連絡が取れて便利な……
あ、こらバッツ!!』

なんだか楽しげである。
魔法が使える人がいると、あの森は楽に抜けられるのだろう。ちょっと悔しいと思うフリオニールとレイナ。
このときすでに釣り組は川に着いていた。適当な枝に、適当に紐でもくくりつけ、適当に餌をつけて釣る。どこかの王子が見たら、驚くより呆れそうだ。
スコールとセシルは待つことには慣れているが、ジタンとバッツには性に合わないらしい。足や顔に落ち着きがない。
バッツが適当な釣り竿を放り出すと、ジタンも同じように釣り竿を放り出す。そして、上着を脱ぎ、邪魔なマントや装飾品を外し、川に飛び込んだ。
とうとう、釣りではなくなった。

「よし、どっちが多く捕まえるか勝負だ!!」
「乗った!!
食料も手に入り、勝負も出来て一石二鳥だな」

この際は、食料入手を中心にするため、注意する意味がなかった。フリオニールがいたら、注意されていただろう。
セシルは魚を釣り上げて喜んでいる。鱒が釣れたようだ。
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