第5話 満腹だニャ 1/2
地下で迷子になった割には、招き猫の存在など知らなかったラグナとスコール。それもそのはず。仕掛け扉の中に招き猫がいたのだ。見つけたのは、当然ジタン。同じ場所をぐるぐるしていたラグナより、やっぱり盗賊の彼は優秀だ。
可愛い招き猫にレイナは頭を撫で始めた。金の亡者に負けた男性陣。
すると、セシルが自分の財布を取り出して、1000ギルずつ投入し始める。一瞬だけ投入したことではなく、セシルの財布の重さに驚いた。

「セシル、何してるんだ!!」
「いや、金を入れた時の反応を見てみたいな、と」
「えーと、一部を食費に取っておいてくれないか?
一気に四人も増えたし」

驚くフリオニールの横に、現実をいうレイナ。
セシルは1000ギルずつ投入することが面倒になり、財布をひっくり返すように入れ始めた。

「もしかして、これがクリスタルルームへの鍵じゃないかな」
「成る程。酷い気がするんだけどね」
「なんだ、何の話だ」

事情を知らないスコールたちに、フリオニールが律儀に説明している間、セシルは無心に金を入れる。物凄い額を持ち歩いていたようだ。99万ギルはあるように思われる。
話を聞いたスコールは、そういう話なら、自分も金を入れてもいいと思う。この世界でもSeeDの給料は入るらしいから、使ってもいいだろう。毎回不思議だが、なぜSeeDの給料は次元すら越えるのか。
ジタンとバッツが聞いた話をまとめている間も、スコールとセシルが無心に金を入れる。なんだかホラーだ。

『ニャニャ、ありがとニャ
もうお腹いっぱいなんだニャ
お礼にこれをあげるニャ』

笑顔を見せていた招き猫が、口を開けて中から飛び出してきたのは、イフリートだ。
金をとった挙げ句に、イフリートを出してくるなど嫌な代物ではないか。そう感じなかったのはスコールぐらいである。むしろ、懐かしさを感じていた。メーザーアイか、いい思い出だと。
ちなみに、この戦闘は即効終わりを告げた。
開戦直後から連続剣を始めるスコールに、勝手にセシルの所持金で銭投げを始めるバッツ。攻撃を食らっていないのにトランスするジタン。そして、応援しているラグナ。明らかにオーバーキルで倒されたイフリート。なぜ建物が崩壊しないのか不思議な気がする。戦闘時間を説明すると、カインがジャンプして降りてきた頃には戦闘終了といった感じだ。
イフリートを倒して喜んでいると、いきなり床が抜けた。やたら落ちまくっているバッツやジタンは、またかとしか思えなかった。
 TOP 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -