第3話 尻尾のある幽霊騒動 2/4
「おーい、大丈夫か」

大丈夫なわけがない。そう思ったスコールは起き上がった。自分の上に人が落ちてきて、足場がなくなり、気づけば見知らぬ場所にいる。
ここは恐らく物置場所だ。錆だらけで居たいとは思わない。しかも時々血までついている。お化け屋敷なら納得がいくが、いきなりお化け屋敷に迷い込むなど信じたくない。
横にいるラグナと、あれはジタンか。なぜこんな形で再会しているのか、あまり考えたくない。更にいるのが羊の着ぐるみ。

「バッツだよ、バッツ」
「俺は夢を見ているのか。」
「バッツ、とうとう羊食い過ぎて人やめたか」
「いやー尻尾のある人間に、二足歩行羊とは面白いな」

どうやら遊ばれ始めたバッツは、ジョブを変えてみた。スコールは本気で夢を見ていると思っている様子。とりあえず【すっぴん】にジョブチェンジしたバッツ。これなら変にいじられたりしないだろう。魔獣使いのジョブが、ここまでいじられてしまうとは。
状況が一切理解できないまま、四人は、辺りを見渡した。無造作に置かれた物たちをながめ、棚が扉を塞いでいることに気づく。それ以外に出られそうな窓はない。妙な作りな気がするが、まず脱出する道を考えるべきか。

「まったく状況が読めないけど、ここから出なきゃいけない気がする。
ジタンはどうよ」
「つか、ここどこだよ。なんだかホラー」
「とりあえず棚をどかしますかー
ほら、スコール手伝え」

誰がやらないなんて言ったか。スコールの心の突っ込みはスルーし、皆で棚を動かす。重い棚だ。誰かがスコールが斬ればいいなどと言ったが、それもスルーした。
開けられるようになった扉を開けると、二手に分かれた暗い通路に出た。普通に怖い通路だ。

「分かれて探索するか。
よし、バッツ勝負だ」
「真剣に楽しむんだ!!」
「バッツ、また罠に嵌まるなよ」
「うんじゃ、オレらも行くか」

バッツとジタン、スコールとラグナはそれぞれ探索を始めた。彼らは遊園地ガーデンプレイスランドの地下にあるスタッフルームから、活動を開始したのだった。
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