愛しい師匠 | ナノ


▼ 27.ラービットと雪だるま登場

二宮が動きを規制しているうちに叩かないと勝てそうにない。
追尾弾で誘導するのは、如月より二宮の方が断然上手いから、そこに頼るとしよう。
戦闘データによれば、耳っぽいレーダーが目より早く反応する上にステルスにも対応する。
足を削りたいが、耳っぽいレーダーが邪魔になりそうだ。
如月は正面から走り、素直に耳を弧月で斬るために狙う。
ように見せかけただけ。
耳を狙ったのは事実だが、斬るのではなく空いていた左手で掴んだ。
電撃攻撃より先に斬れる自信があるから荒業に出たのだ。
ほぼ電撃攻撃が開始されると同時に、耳を片方切り落とす。

「あぶな!!」
「無茶をするからだ」
「ここに来てる時点でお前も無茶してるさ」

無駄口を叩きつつ、二宮はアステロイドで残された耳を破壊する。
するとラービットは、上へとジャンプしたのだ。
背後ばかり気にしていて、頭上をとられるなど思ってもいなかった。
どうするか。突撃するか。
二宮は追尾弾でさらに頭上を取った。
無理にでも降ろすつもりらしい。
なら降りたタイミングで一撃を加えてやる。
着地したラービットに余裕なしに、脚を切り落とした。
バランスを崩したところを、二宮が右手のメテオラで目眩ましにして、左手のハウンドで弱点を狙う。
そこに如月が腹を切った。

「終わったか?」
「だろうな。動かないから。
たく、面倒な新型だ。何度か緊急脱出すると思った」
「お前が緊急脱出したら、弟子はさぞ弱かろう」
「あぁ!?」

弱気な如月のモチベーション上げに言ったのか、ただの皮肉か。
天然過ぎてちょっと分かりにくい。
言われた如月は、とりあえず前者として捉えておいた。

「二宮はどうする?」
「緊急時とはいえ、命令を破ってるのは事実。
犬飼と合流する。お前は?」
「本部に戻る。このまま嵐山と会うつもりだったんだが、本部の周りが敵味方問わず手薄すぎる気がしてな」

この二人、こうやって会話しているが一歳差がある。
如月が年下扱いしていないからかもしれないが、こんな会話をされるとその事実を忘れそうになる。
単純に二人とも忘れているのかもしれないが。
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