第二章 体育祭〜職場体験 | ナノ


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──── 昨日と今日は体育祭の振替休日だ。


しかし嵐太と風優はいつも通り学校があるため、いつもの様に朝ご飯を食べさせて送り出したのが3時間ほど前。

体育祭だけではなく怒涛の毎日を送っていたためか疲れが溜まっていたようで、嵐太達を見送ってすぐにソファーで爆睡。


そして目が覚めれば、時計には10時半と表示されていた。

嵐太達に作って余ったフレンチトーストをもきゅもきゅと頬張っていると、ピンポンとインターホンが鳴った。


誰だろう、宅急便かな?
パジャマだけど、まあいいか。

口の中のフレンチトーストを飲み込んで印鑑を取り出し、のそのそと玄関へと向かう。



名前「はーい、いつもありがとうございま、……」



ドアを開けていつもの様に荷物を受け取ろうとして、私は言葉を切った。

そこにいたのはクロ〇コヤマトのお兄さんでも佐〇急便のお兄さんでもなかった。



名前「……かつ、き……?」

爆豪「……出んの遅せぇ」



玄関に立っていたのは顰めっ面の勝己だったのである。

え、何事……?



名前「……えっ、今日学校休みだよ……?」

爆豪「あぁ?ンなもんわかっとるわ!私服で来てんだろーが!」

名前「ちょ、うるさいよ朝から怒鳴らないで」



確かに彼の言う通り、完全にプライベート仕様の格好である。
上は黒のTシャツに白い長袖シャツというレイヤードスタイル、下はグレーのワイドパンツ。
タンクトップ以外の彼の私服は久しぶりに見た気がする。

彼は顰めっ面のまま私の格好をじろりと見た。



爆豪「おい、さっさと着替えろや」

名前「え、なに?なんで?」

爆豪「出かけるからに決まってんだろーが!40秒で支度しろ!!」

名前「シータの救出?」

爆豪「いいから準備しろや!」



どうやらラピ〇タごっこをしに来たわけではないらしい。

ブチ切れながらもズカズカと上がり込んできて、玄関に腰掛ける勝己。


どこに行くのかと聞いても「そんなに遠くねえ」としか答えてくれず、私は首を傾げながら着替えるのであった……。

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