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飯田「手術、無事成功したんだな!よかった!」
名前「えっ、手術!?手術したの!?」
緑谷「あ、いや、まあ……ちょっとね。でも大丈夫だよ。飯田君もおめでとう!」
酷い怪我だとは思っていたけど、手術をしていたとは……。
とりあえず今は動けているみたいだし、本当に無事でよかった。
委員長はというと、誇らしげな目でトーナメント表を見ていた。
飯田「……ベスト4まで来たよ。君と轟君の戦い、糧にさせてもらうぞ」
緑谷「……うん。飯田君の活躍、お兄さん……インゲニウムも見てるかな」
名前「えっ、委員長ってインゲニウムの弟なの!!?」
飯田「ああ、風花君には言っていなかったな。俺の兄はインゲニウムなんだ。俺の憧れるヒーローさ」
なんだかさっきから知らない事実ばかりを打ち明けられている気がする……。
そう言われてみれば、確かに委員長のコスチュームはインゲニウムに似ているような。
飯田「……さっき兄に電話してきたんだが、仕事中だったよ」
緑谷「あ、したんだ」
飯田「でも、逆によかった。ここまで来たら、No.1で報告しないとな」
名前「……おっ、それは私への宣戦布告かな?」
飯田「ああ、そう受けとってもらってかまわない。風花君との試合、楽しみにしているよ」
名前「私も!負けないよー?」
ニヒッと委員長に向かって笑いかけたのと同時に、プレゼントマイクの実況が耳に飛び込んできた。
《爆豪再びのカウンター!なんだァ!?さっきと違って効いてるー!?》
どうやら勝己の攻撃が切島に入ったらしい。
流石と言うべきか、勝己は切島が持久戦が苦手なことを見抜いたようだ。
そこからは勝己の爆破の猛ラッシュ。
最終的には切島が戦闘不能となり、勝己が勝った。
……ああ、やっぱりか。
次の対戦相手は勝己に決まった。
フィールドにいる勝己が、こちらを見た。
バチッと目が合い、睨み合う。
名前「……絶対勝己に勝つ。私は、戦わなきゃいけないから」
緑谷「……名前、ちゃん……?」
少し不安げな声を上げた出久と、不思議そうな表情で私を見る委員長。
そんな2人にニコリと笑いかけ、私はその場を去った……。
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