第二章 体育祭〜職場体験 | ナノ


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そして最終関門は、一面地雷原。

よく見れば地雷の位置はわかるけど、焦ればつい踏んでしまうだろう。



名前「まあ私には関係ないんだけどね!」



この競技で私はほとんど走っていないため、まだまだ体力は有り余ってる。
ここは雲に乗ったまま突っ切るのがベストだろう。

地雷を踏んでしまう人が多数現れ、あちこちで爆発が起こっている。
それを避けながら進んでいると、先頭であろう轟と勝己が競っているのが見えた。



《ここで先頭が変わったー!!喜べマスメディア!!お前ら好みの展開だああ!!》



どうやら勝己が轟を抜いたようだ。

勝己も私と同じように走らず、爆破の際に起こる風で飛んでいる。

でも、これはチャンス!!



名前「うおりゃああああ!!追いついた!!」

轟「っ!風花!?」

爆豪「ちっ、クソ女が!!」



グッとスピードを上げて何とか二人の横に並ぶ。

だけど、追い越せそうで追い越せない!!
追い越しては追い越されを繰り返し、二人からの妨害も交わしながら進む。

その刹那、後方からとんでもない爆発音が聞こえてきた。

な、なに!!?

私を含め、三人はその大きすぎる音にゾッとして後ろを振り返る。



《後方で大爆発!?なんだあの威力!?偶然か故意かーーーっ、A組緑谷爆風で猛追ー!!?》

名前「ええええっ!?マジか出久!!」



なんと、爆風に乗って飛んできたのは出久だった。
そしてそのまま私達を飛び越えて行ってしまったのである。

うひゃあ、出久すごい!

恐らく地雷を掘り起こして同じ箇所に集め、自らその上に飛び乗ったのだろう。
そしてその爆発の威力で飛んできたわけだ。
何とも大胆な作戦に私は舌を巻いた。



爆豪「デク!!!俺の前を行くんじゃねえ!!!」

轟「後ろ気にしてる場合じゃねぇ……!」

名前「やっぱり出久の作戦はすごいね!!」

《元先頭の三人!足の引っ張り合いをやめ、緑谷を追う!!共通の敵が現れれば人は争いを止める!争いは無くならないがな!!》

《何言ってんだお前》



上空を飛ぶ緑谷を追いかけるが、着地寸前の彼がくるりと前転し、持っていた板を地面に叩きつけた。

それに気付いた私は瞬時に出久の意図を理解し、咄嗟に上空へ逃げる。


その瞬間、


─── ドオオオォォォンッ!!


再び大爆発が起こった。
間一髪で爆風が届かない上空に逃げていた私は巻き込まれなかったが。

あ、危ねーーっ!やるなぁ出久!!


雲から下を見下ろせば、爆発によって起こった煙で地面が全く見えない。
このまま上空を行くのが最善だろう。

すると、出久が先頭を走る姿が見えた。
そして出久の後を追いかける轟と勝己。



《緑谷間髪入れず後続妨害!!なんと地雷原即クリア!!イレイザーお前のクラスすげえな!どういう教育してんだ!》

《俺は何もしてねえよ。奴らが勝手火ィ付け合ってんだろう》



かなり上空まで逃げてきてしまったため、あれを追い越すのは結構厳しい。

できる限りスピードを上げて下に降りて追いかけるが、結果は4位だった。

アナウンスによると、1位は出久だったようだ。



名前「出久ーーーっ!!」

緑谷「うわあっ!!?名前ちゃんっ!!?」



私は負けたけど、出久が1位を取ったのはなんだか嬉しかった。

思わず彼に飛びつけば、変な声を上げられる。

しかしそれはいつものことなので気にせず、彼の手を握って上下にブンブンと振った。



名前「すごいすごい!出久すごいよ!私、完敗だ!」

緑谷「た、たまたまだよ!偶然が重なったラッキーみたいなものだし……」

名前「何言ってんの、運も実力のうちって言うじゃん!それに、出久の作戦でしょ?あんたの作戦勝ちだよ!」

緑谷「あ、ありがとう……」



バシバシと出久の背中を叩く。

すると、後からゴールしてきたお茶子と響香がこちらへやってきた。



麗日「デク君すごいねぇ!1位すごいね!悔しいよちくしょー!名前ちゃんもすごい、4位って!」

緑谷「ううう麗日さん!?ち、近っ……!!」

耳郎「名前、お疲れ。やっぱすごいわ、あんた」

名前「わ、ありがとう!二人もお疲れ様!」



お茶子に声を褒められて顔を赤らめている出久。

挙動不審になる出久を見て響香と一緒に笑いながら、私は一息吐いたのだった。

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