桜恋録ニ | ナノ


2


──── ドタドタドタドタ……



名前「左之さああああああんっっっ!!!!」



──── スパーンッ!!!



原田「っ!?お、おいおいどうした!?」

藤堂「名前に千鶴も……って、何で泣いてんだ!?」

永倉「大丈夫か!?何があった!?」



左之さんの部屋に飛び込めば、そこにはいつもの3人組。
いきなりやってきた私たちに、驚いたような表情をしている。

それもそのはず。
私も、私に手を引かれている千鶴も、瞳からは大粒の涙を零しているからだ。

私はビービーと泣きながら左之さんの腹筋にしがみつく。



名前「千鶴がっ……千鶴が呪われるううううううっっ!!!」

原田「は、はあ?」

永倉「つーか千鶴ちゃん、それ何持ってんだ?」

藤堂「あ、それこの間の人形じゃん。まだ捨ててなかったのか?」



私は泣きながら先程千鶴から聞いた話を伝える。

千鶴を慰めていた平助と新八っつぁんが、私の話を聞いた瞬間ピシリと固まった。



永倉「……ま、まさか。そ、そ、そんな事あるわけねえだろっ……!?か、勘違いだって、勘違い!」

原田「捨てられていたのを誰かが見つけて、持ってきてくれたんじゃねえのか?」

千鶴「で、でも私……平助君以外にこの人形のことは話していないんです……捨てに行ったのも私1人ですし……しかも捨てたのは先週でっ……それなのに、私の文机にっ……」



千鶴が泣きながら必死に説明していた時。



斎藤「 ──── 左之、入るぞ」

沖田「さっき名前ちゃんと千鶴ちゃんの叫び声聞こえたんだけど、部屋にいなくて……ってなんだ、ここにいたんだ」



私達の悲鳴を聞きつけた一君と沖田さんがやってきた。



斎藤「……何故泣いているのだ」

名前「はじめくううううんっっ!!!(涙)」

原田「それがだな……」



左之さんが私と千鶴の話をそのまま2人に伝えてくれた。

2人は暫し無言だったが……。



斎藤「……雪村。今すぐその人形を寄越せ」

沖田「僕が斬るね、一君」

名前「やめてえええええ!!!呪われる!!!そんな罰当たりなことしたら呪われる!!!」



刀でスパーン!って斬られたらそれこそ呪いが強くなって返ってきそうだよ!!

人形の恨みが呪いで返ってくるよ!!!

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