桜恋録ニ | ナノ


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名前「 ──── ちーづーるっ!あーそーぼっ!!」



──── スパーンッ



今日も今日とて暇してるので、千鶴の部屋に遊びに来た私。
……だけど、なんだか千鶴の様子がおかしい。



千鶴「………名前………」



私の方を振り向いた千鶴は、酷く青ざめていた。



名前「えっ、ちょっ、どうしたの!?もしかして土方さんにでも虐められた!?ちょっと怒鳴り込んでくるわ」

千鶴「……ち、ちがうの……」

名前「あれ、違うの?……って、何それ」



よく見てみれば、千鶴は何かを持っていた。

彼女の手の中にあるのは、人形。

長い髪と色白な肌が特徴的な、でもボロボロすぎてお世辞にも可愛いとは言えない人形だ。
市松人形って言うんだっけ?

すると、千鶴が青ざめた表情で小さな声で話し始めた。



千鶴「……これ、ね。先週屯所掃除をしていたら見つけたの……」

名前「へえ、そうなんだ。でもボロボロだね、私が作り直してあげようか?私、ぬいぐるみ作れるんだよ!」

千鶴「……ち、違うの、そうじゃなくて……これね、どうしようかと思って平助君に相談して、先週捨てたはずなの……」

名前「………え?」



……先週捨てたはず、とは。



千鶴「……それなのに……さっき、私の部屋の文机にあって……」

名前「………」



エンダァァァァァ………



名前・千鶴「「イヤアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」」



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