3
原田「 ──── すまなかった!!!」
私の目の前には、土下座している左之さん。
……あの後、まさか私が怒鳴るとは思っていなかったようで、左之さんは驚いたように固まった。
その隙に彼と畳の間から急いで抜け出して、物凄い勢いで今までの事を説明した。
息を継がずにマシンガントークをぶっぱなしたせいで、私の方はゼェゼェと息を切らしていた。
一方自分の誤解だと気づいた左之さんは、私の話を聞き終えるよりも早く、そりゃもう物凄い勢いで土下座をしてきたのだ。
……でも、誤解させてしまった私も私だよな。
確かに何も知らない人から見れば、あの状況は山崎さんから恋文を受け取っているようにも見えるのかもしれない。
名前「さ、左之さん……頭上げてよ。誤解されるような事をした私も悪いんだし……ごめんね?」
原田「いや、お前は何も悪くねえ。勝手に勘違いして早とちり俺が悪かったんだ。それで挙句の果てにはお前に襲いかかっちまった、すまねえ!!殴るなり蹴るなり、煮るなり焼くなり好きにしてくれて構わねえ!!」
名前「え、えぇ……」
……な、なんか、左之さんに土下座されるのって物凄く変な感じだ。
だって土下座は私の十八番なのに!←
ど、どうすればいいんだこれ……。
……あ、そうだ!
名前「……じゃ、じゃあ私、左之さんと一緒にお団子食べに行きたいなー!そ、そのついでに一緒に解決策を考えてほしいんだけど……」
原田「……そ、そんなんでいいのか?」
名前「いや、そんなんって……寧ろ私としてはめちゃくちゃ助かるなー……|ω・`)チラッ」
原田「わかった、今から行くぞ。100本でも1000本でも好きなだけ食えよ」
名前「いや桁おかしくね?」
なんで100本スタートなんだよ、私の胃袋はブラックホールか。
……まあでもとりあえず、左之さんが頭を上げてくれたから良しとするか。
そして私はそのまま、左之さんに半ば引きずられるようにして屯所を出たのだった……。
<< >>
目次