桜恋録ニ | ナノ


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すると、「さて、と」と左之さんが私の頭を撫でながら言った。



原田「大分ほぐれてきたみてえだし……こんだけ濡れてりゃ、大丈夫だろ」



その言葉の意味がわかった瞬間、どきりと心臓が跳ねた。

いよいよだと思うと、体が強ばる。



原田「恐らく……っつーか、絶対痛えだろうが……無理しねえで言えよ?無理なら止めるからよ」



彼の言葉に、私は小さく頷いた。

優しく見つめられ、頬を撫でられる。
それだけで私の体からは少し力が抜けてしまうし、本当に私は彼の手に弱いみたい。

しかし ────
着物を脱いだことで引きずり出された彼のそれを見て、私は思わず目を見開いた。

……ま、まって。これが、私の中に入るの?
絶対無理な気がするんだけど。



原田「……怖いか?」



私の様子に気付いたらしい左之さんが、そう問いかけてくる。

私は正直に、首を縦に振った。



原田「……なら、止めるか?」



一瞬、その優しい問いかけに頷いてしまいたい衝動に駆られる。

でも ────
でも、ここで逃げてはいけない気がする。
ここで逃げたら、いつまで経っても前に進めない気がする。



名前「……止めないで……」



凄く小さな声になってしまったけど、左之さんはしっかりと聞き取ってくれたみたいだった。



原田「……わかった。大丈夫だから、な?」



左之さんの顔が近づいてきて、優しくキスを落とされた。
私の右手が、左之さんの大きな左手にギュッと握られる。

そして ────
私の秘部の割れ目に、彼の熱が宛てがわれた。
ゾクリと体の芯が疼く。



原田「……いいか?いくぞ?」



バクバクと鳴り止まない心臓を無視して、私は覚悟を決めてしっかりと頷いた。

その瞬間、



名前「 ──── っ!!」



体を裂くような痛みが全身を駆け巡る。

声にならない悲鳴が上がった。



原田「……っ、やっぱり狭えな……」



左之さんも、少し苦しそうに顔を歪めていた。

彼が動く度に、体に激痛が走る。



原田「名前、大丈夫か……?」



正直、大丈夫じゃない。

指とは比べ物にならない質量だ。
痛みで頭がおかしくなりそうだった。



原田「……名前、」



愛しい声に名前を呼ばれ、逞しい体に抱きしめられる。

私も彼も、体は酷く汗ばんでいた。



原田「……名前……俺の首に、手ェ回せるか……?」



言われるがまま、しがみつくように彼の首に手を回した。

彼との距離がぐっと近くなり、同時に甘く優しい口付けが落とされる。
その口付けは、体が蕩けてしまいそうなくらいに気持ちよくて。
痛みを忘れ、無我夢中で彼の舌に自分の舌を絡める。


……と、その時。



原田「……名前、すまねえ……ちいとばかり我慢してくれ……」



一瞬唇が離れ、そんな声が聞こえた。

そしてほぼそれと同時に、ズンッ、と彼が一気に私の中を貫いた。

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