4
すると、「さて、と」と左之さんが私の頭を撫でながら言った。
原田「大分ほぐれてきたみてえだし……こんだけ濡れてりゃ、大丈夫だろ」
その言葉の意味がわかった瞬間、どきりと心臓が跳ねた。
いよいよだと思うと、体が強ばる。
原田「恐らく……っつーか、絶対痛えだろうが……無理しねえで言えよ?無理なら止めるからよ」
彼の言葉に、私は小さく頷いた。
優しく見つめられ、頬を撫でられる。
それだけで私の体からは少し力が抜けてしまうし、本当に私は彼の手に弱いみたい。
しかし ────
着物を脱いだことで引きずり出された彼のそれを見て、私は思わず目を見開いた。
……ま、まって。これが、私の中に入るの?
絶対無理な気がするんだけど。
原田「……怖いか?」
私の様子に気付いたらしい左之さんが、そう問いかけてくる。
私は正直に、首を縦に振った。
原田「……なら、止めるか?」
一瞬、その優しい問いかけに頷いてしまいたい衝動に駆られる。
でも ────
でも、ここで逃げてはいけない気がする。
ここで逃げたら、いつまで経っても前に進めない気がする。
名前「……止めないで……」
凄く小さな声になってしまったけど、左之さんはしっかりと聞き取ってくれたみたいだった。
原田「……わかった。大丈夫だから、な?」
左之さんの顔が近づいてきて、優しくキスを落とされた。
私の右手が、左之さんの大きな左手にギュッと握られる。
そして ────
私の秘部の割れ目に、彼の熱が宛てがわれた。
ゾクリと体の芯が疼く。
原田「……いいか?いくぞ?」
バクバクと鳴り止まない心臓を無視して、私は覚悟を決めてしっかりと頷いた。
その瞬間、
名前「 ──── っ!!」
体を裂くような痛みが全身を駆け巡る。
声にならない悲鳴が上がった。
原田「……っ、やっぱり狭えな……」
左之さんも、少し苦しそうに顔を歪めていた。
彼が動く度に、体に激痛が走る。
原田「名前、大丈夫か……?」
正直、大丈夫じゃない。
指とは比べ物にならない質量だ。
痛みで頭がおかしくなりそうだった。
原田「……名前、」
愛しい声に名前を呼ばれ、逞しい体に抱きしめられる。
私も彼も、体は酷く汗ばんでいた。
原田「……名前……俺の首に、手ェ回せるか……?」
言われるがまま、しがみつくように彼の首に手を回した。
彼との距離がぐっと近くなり、同時に甘く優しい口付けが落とされる。
その口付けは、体が蕩けてしまいそうなくらいに気持ちよくて。
痛みを忘れ、無我夢中で彼の舌に自分の舌を絡める。
……と、その時。
原田「……名前、すまねえ……ちいとばかり我慢してくれ……」
一瞬唇が離れ、そんな声が聞こえた。
そしてほぼそれと同時に、ズンッ、と彼が一気に私の中を貫いた。
<< >>
目次