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──── 座敷に行けば、ほとんどの人が揃っていて既にご飯を食べ始めていた。
千鶴「……あ!おはよう名前」
名前「おはよう千鶴!さっきはごめんね!昨日はちゃんと眠れた?」
千鶴「うん!温泉のおかげかな、ぐっすり寝ちゃった」
名前「私も!」
……あんなことがあった翌日だというのに、意外と平然と会話が出来ている自分に驚いた。
今朝の朝食もなかなか豪華だ。
あっという間におかずを平らげて美味しいお米を頬張っていると、右隣に座っていた一君から「名前」と名前を呼ばれる。
名前「なあに?」
斎藤「……俺は……あんたらのことは、応援しているつもりだ」
名前「……うん?」
『あんたら』って……?
私が首を傾げていると、一君は若干顔を赤らめた。
斎藤「……だから、その……左之と、上手くやっていけているようで良かった」
名前「ぶっ……」
思わずご飯を吹き出しかけて、慌てて飲み込む。
ハッとして一君の右隣にいる左之さんを見れば、彼はニヤニヤと笑っていた。
名前「何を吹き込まれたんだ一君んんんんんっ!!!」
顔に熱が籠るのを感じた。
え、無理なんだけど一君と話し辛くなったんだけど!!
すると、向かいに座っていた新八っつぁんまでもが会話に入ってくる。
……何かを察したようにニヤニヤとしている新八っつぁん。
くっそ、いらない時だけ鋭いなこの人は。
永倉「お、なんだ?ついに名前ちゃんも大人になったか!!左之もよかったなあ!!」
原田「……うるせえよ新八」
名前「あっ、今日の炊事当番私だわ。新八っつぁんの魚焦げたらごめんね」
永倉「なんで俺だけ!?」
……今日も私たちの日常は平和です。
(……名前……)
(ん?どうしたの千鶴)
(きょ、今日……赤飯にする……?)
(おい誰だ千鶴に変なこと吹き込んだ奴!!!)
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