桜恋録ニ | ナノ


5



……すると、スッと今度は静かに障子戸が開いた。

現れたのは一君。



斎藤「 ──── 副長、巡察の報告書を、…………」



どうやら一君は土方さんに用事があったみたい。

でも一君の視線が私で止まった。



斎藤「………今度は何をしでかしたのだ」

名前「いや何もしてないから!!」



もうみんな新しい折檻だと思ってるじゃん。

みんなから見ても悲惨なんじゃん、この前髪。



沖田「土方さんに切られたんだって。面白いよね」

名前「もうやめて、私のライフはとっくにゼロよ」

斎藤「……俺は、その髪型でも似合っていると思うが」

名前「はじめくうううううんっっっ!!!!(涙)」



私は半泣きで一君に抱きついた。

もうあなただけが私の心の拠り所だよ!!



沖田「いやさっき一君も折檻だと思ってたじゃん」

名前「うるせえ!こういう時はお世辞でもいいから慰めてほしいんだよ!前髪を失った心の傷はめちゃくちゃ深いんだよ!」

斎藤「……金平糖があるのだが、食べるか?」

名前「もう一君大好き、どっかの誰かさんにも見習ってほしい」

沖田「ちょっと、なんで僕を見ながら言うの」



……その後、一君の部屋で2人で一緒に金平糖食べて慰めてもらった。

マジで一君は神だ。


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