桜恋録ニ | ナノ


2


とりあえず、お団子を食べながら私は春画を見せてもらうことにした。
エロ本なんて読んだことないし、どんなもんか興味あるからね。



名前「ふむふむ、なるほど………新八っつぁんと平助は触手物が好きなのね(モグモク)」

永倉「……なんで俺ら、名前ちゃんに性癖晒してんだよ……」

藤堂「いや元はと言えば新八っつぁんが名前に春画盗られたからだろ……」



……春画はなんというか、結構すごかった。
エロアニメでありそうな、そういう妄想まみれの感じ。

タコに吸われてるやつとかあったね、この絵は結構有名だよね。



名前「ふーん、因みに胸派?お尻派?」

藤堂「へ、変なこと聞くなよ!!」

永倉「名前ちゃんも女の子なんだからよォ……」

名前「ちぇ」



流石に教えてくれないか。

ま、見せてくれただけでもいいか。



永倉「……な、なあ……この事は誰にも言わねえでくれねえか……?」

名前「え、なんで?みんなで回し読みしてるんじゃないの?」

永倉「いや、そうじゃなくてよ……。名前ちゃんに春画を見せたなんてバレたら、土方さんと斎藤に殺されちまう……」

名前「ああ、そういうことね。別に言わないよ」



土方さんはともかく何で一君?って思ったけど、よく考えてみれば確かに一君も怒りそうだな。

女子にこんなふしだらな物を…!みたいな。



永倉「お、恩に着るぜ!今度一緒に団子でも食いに行くか!奢るぜ」

名前「よしきた!お団子10本から手を打ちましょうか」

藤堂「いや食いすぎだろ……」



呆れたように私を見る平助。
この間左之さんと食べに行った時は9本だったからね、最高記録更新しなきゃ。

そこでふと、愛しの彼の姿を思い浮かべる。
そういえば、左之さんもこういうの見るのかな……。



永倉「……どうした?急に黙っちまって」

名前「……いや、左之さんもこういうの見るのかなーって思って」

藤堂「そりゃ、左之さんも男だからなー」

名前「……そっか、そうだよね」



左之さんも本当はきっと、ボンキュッボンな女の人が好きなんだろうなあ……。

下を見れば、絶壁の胸。
いやまあ、晒し巻いてるからあるわけないんだけどさ……。



名前「どうすりゃこんなボンキュッボンになれるんだよこんちくしょうめーーーっ!!!!!」

永倉「うおっ、急にどうした!?つか、何だ?ぼんきゅ…何だって?」

名前「胸とお尻がデカくて腰はくびれてる、ナイスバディな美女のことよ」

永倉「ないすばでぃ……?」

藤堂「そんなこと気にしなくても、左之さんはお前の体が一番好きだと思うけどなー」

名前「……その髪毟られたいか平助」

藤堂「なんで!?お前最近オレの髪に恨みでもあるの!?」



ギョッとしたように自分の髪を抱きしめる平助。
うん、可愛い。

……じゃなくて!!

やっぱり、左之さんもそういう事したいのかな。
そりゃしたいに決まってるか、左之さんだって大人の男の人なんだし。

でもなぁ……。


──── 蘇るのは、あの日、あの時の声。



"原田「………なあ、名前………」"



うわあああああああっ!!!!!



名前「に、妊娠するっ!!耳が妊娠するっ!!無理!!!」

藤堂「何言ってんのお前!!?」

名前「うわあああああああああ」

藤堂「落ち着けって!今日のお前情緒不安定すぎるだろ!!」



私は邪念を振り払おうと、耳を塞いでヘッドバンキングをした。

Rock 'n' Roll !

……失礼しました、取り乱しました。

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