ハイキュー 『君の隣で』 | ナノ


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─── 急いで下に降りれば、ちょうど歩いていたみんなと鉢合わせた。


西谷「名前ーーーっ!!」

田中「初戦!!突破ァーーーっ!!」

名前「おつかれーー!見てたよ!!」

名前・西谷・田中「「「ウェーーーイッ!!!」」」


3人で拳を突き合わせる。
ゴツンッ、と鈍い音が鳴った。


名前・西谷・田中「「「……お、おおぅ……」」」

月島「……何してるんですか」


各々拳を抑えて震えている私たち3人に、ツッキーの呆れたような声が降ってきた。
勢い余って強くやりすぎた、地味に痛い!
するとそこへ、烏養コーチと大地さんがやってきた。


烏養「2回戦のスターティングは、1回戦時と同じで行く」

菅原「……」

烏養「次の試合は、1時半からだ。身体冷やすなよ!それまでに軽く飯食っとけ、腹いっぱいにはすんなよ」

「「「あス!!!」」」


烏養コーチの言葉を聞いて、日向と影山が物凄い勢いでおにぎりを貪り始めた。
あんな勢いで食べて大丈夫かな……?

そして2人はすぐに食べ終えると、ボールを持って外へと走って行ってしまった。
食べてすぐにやるの!?本当に大丈夫!?


月島「そういう苗字さんも凄い勢いで食べてますけど大丈夫ですか」

名前「私はこのくらい普通だから平気なのだよ!というかツッキー、私の心読めるの?」

月島「全部声に出てましたケド」

名前「なるほど」


持ってきた7個のパンをバクバク食べていると、ツッキーとその隣にいたぐっちーにドン引きしたような顔で見られる。


山口「パ、パンが吸い込まれてく……」

月島「……この人、掃除機なんじゃないの」

田中「ぶっ、ハハハハ!!なんで選手より栄養補給してんだお前!!」

縁下「パンが茶色いからダンボール食べてるみたいだ……」

名前「オイうるさいぞ、そこ4人!!」


お腹空いてんだからしょうがないだろ!
見る方も緊張とかその他諸々が干渉して体力使うんだよ!!
しかもさっきは及川さんに絡まれたから!!

4人に文句を言いながら、メロンパンの最後の一口をバクッと放り込む。
その時視界の端で、スガさんが静かにこの場を離れていくのが見えた。


名前「……ちょっとお散歩行ってくるわ」

縁下「え?散歩?……ああ、時間までに戻って来いよ」

名前「あーいよ」


なんだか思い詰めたような表情をしていたスガさんが、妙に気になってしまう。
残っているチョコパン1つを持って、私はスガさんの後をこっそりと追うのだった。


月島「……本当自由ですよね、あの人」

縁下「あはは、そうだよな。……まあでも、ただ散歩に行ったわけじゃなさそうだけどな」

月島「……?」

縁下「……意外と世話焼きだからさ、アイツ」

月島「……それは知ってます」

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