ハイキュー 『君の隣で』 | ナノ


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─── 5月6日。
烏野総合運動公園、AM9:00。

烏野と音駒は整列し、挨拶をした。


「お願いしアス!!」

「「「「しアース!!!」」」」


だがその部員の中に見知ったプリン頭を見つける。
確か3日ほど前のロードワークで日向を追いかけていた時に遭遇した、迷子になっていた人。
孤爪研磨だ。
この辺で見かけないジャージだと思ったが、音駒だったのか!

日向も研磨がいることに気付いたようで、挨拶が終わってから声をかけている。
だが研磨の後ろからヤンキーのようなモヒカン頭の男子が現れて、日向を威嚇し始めた。
かと思ったら日向の後ろからは田中が現れて、モヒカン頭を威嚇している。
なんか似てるな、あの二人……。

体育館の入り口付近で早速スガさんと音駒の茶髪の人に怒られている田中とモヒカン頭を眺めつつ、荷物を運ぶ。
……そんな時だった。


?「 ─── ねぇ、ちょっと。そこの君」

名前「え?」


ぽん、と肩に手が乗せられ、私は振り返る。

一番最初に目に入ったのは真っ赤なジャージ。
見上げれば、見覚えのある人だった。
確かこの人は、迷子の研磨を迎えに来た人だ。
この人もかなり特徴的な髪型だったのでよく覚えている。
何の用だろうかと首を傾げていると……。


?「忙しい所悪いんだけど、名前教えてくれない?」

名前「あ、はい!烏野2年でマネージャーの苗字名前です!あの、この間お会いしましたよね?音駒の主将さんだったんですね!今日はどうぞよろしくお願いします!」

?「……苗字……名前……」


ペコッとお辞儀をする。
荷物が多かったので、少し浅いお辞儀になってしまったが。

しかしその人はブツブツと何かを呟きながら考え込んでいて、聞いているのかいないのか……。
一体何だろう?


名前「……?あの、すみません。私、いろいろ準備があるのでこれで……」

?「……ん?あ、そうだよね。悪いねー、いきなり話しかけちゃって」

名前「いえ!ではまたあとで!失礼します!」


そう言って私はニコッといつものように笑いかけるが……。
なんだかその人が、一瞬悲しげな瞳になったように見えた。

そして ───。


?「……バイバイ、" かわいい名前ちゃん "」


立ち去りかけていた足を、ピタリと止めた。

" かわいい名前ちゃん "……?
この呼び方を、この香りを、私は知っている。


"名前「もしかして、きみのネコちゃん? 」"

"名前「ね、ひとりならいっしょにバレーやらない?」"



それは、遠く懐かしい記憶。
私が、この会話をしたのは。


"名前「うん!まってる!!またね、─── 」"


名前「 ─── " くろねこのてっちゃん " ……?」


脳裏を過ぎった言葉を、無意識のうちに口に出していた。

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