ハイキュー 『君の隣で』 | ナノ


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─── ついに、この日がきてしまった。
毎年恒例である新入生の3対3試合の、土曜日だ。

そして、来てしまった。
久々の、体育館に……。

朝から体育館の入り口付近でうろうろと動き回る私は、周りから見たら確実に変人だろう。
なぜ中に入らないのかというと、ただ単に入りにくいだけである。
中からちょっとだけ声もするから、もう誰か来てるんだと思うけど……。
入りにくい!!久しぶりだとやっぱり入りにくいよ!!

誰か来てよ〜と半泣きで願うが、こういう時に限って誰も来てくれない。
もしかして、今日は試合だからみんな早めに来てるのかもしれない。

……仕方ない、腹括って入るか。
そんで、旭さん来てたらちゃんと謝ろうじゃないか。
昨日の店でラッピングしてもらったサポーターもちゃんと持ってきている。

ふぅ、と深呼吸して私は扉に手を伸ばす。

すると ───。


田中「 ─── ったくアイツ、またサボりやがったな!!」


田中の苛立ったような声が聞こえた。
まあまあ、とそれをなだめる大地さんの声も聞こえる。
だから、私は別にサボってるわけじゃないのに!!


田中「俺、ちょっとその辺見て来るっす!」

澤村「あ、おい、待て田中!!」


……え?その辺を見てくる?
そう思ったのも束の間、

─── ガラガラガラッ


田中「……」

名前「……」


勢いよく扉が開き、田中が現れた。
目を点にした顔を突き合わせて、ポカンとしたまま見つめ合う私たち。
先に状況を理解したのは、田中の方だった。



田中「……って、ああああああああああ!!!!!!」

名前「いやうるせーよ!!!」



つい癖で勢いよくツッコミを入れてしまう。
おかげで、全員の視線がこちらに集まった。


2・3年「「「……あああああああああ!!!!!」」」

名前「いやアンタらもかい」



相も変わらず、ここは賑やかなようだ。



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