第一章 中学時代〜USJ襲撃事件 | ナノ


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今日のヒーロー基礎学は、救助訓練を行うらしい。

先生は相澤先生とオールマイトともう一人の3人体制。
訓練場は離れた場所にあるため、バスでの移動になるそうだ。



飯田「1A集合ー!!バスの席順でスムーズに行くよう、番号順に2列で並ぼう!」



そう言いながらピッピッとホイッスルを吹いているのは飯田。
出久の推薦により、彼は新たな学級委員長となったのである。

さすが委員長、初っ端からフルスロットルだ。

しかしバスに乗った瞬間、彼は肩を落とすことになる。



飯田「くそ、こういうタイプだったか……!」

芦戸「意味なかったなー」



バスは2人ずつ腰掛けるタイプの座席ではなく、数人が横一列に向き合って並んで座るタイプの座席だったのだ。

私はというとその席には座らず、後ろの方にあった2人がけの座席に勝己と座っていた (ほぼ無理やり引っ張って来られた)。

ぼんやりと窓の外の景色を見ていれば、聞こえてくるのは賑やかな会話。
個性の話をしているらしい。



切島「まあ、派手で強えっつったら轟と爆豪だな!」



そんな切島の声が聞こえて視線を周りに移せば、皆の視線は私の隣の勝己と後ろの轟に集中していた。



名前「確かに勝己も轟も、派手な個性してるよねぇ」

耳郎「うん。でも名前の入試の時の竜巻も凄かったけど」

切島「ああ、そういやそんな事もあったな!あん時のお前すごかったよな、あの0ポイントのでけえロボットぶっ飛ばしてよ!」

上鳴「あれをぶっ飛ばした!?マジかよ風花!」



響香と切島の言葉に、そういえばそんな事もあったなぁと思い出す。

それ程月日は経っていないのに、少し懐かしく感じるのは何故だろう。
入学してからずっと目まぐるしい日々が続いているからだろうか。



切島「ヒーローって人気商売みてえなところあるからな。風花は人気出そうだよな!」

名前「えっマジか!ありがと!」

蛙水「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」

爆豪「んだとコラ出すわ!!!」



梅雨ちゃんの非情な一言に、私は思わずブフッと吹き出した。
勢いよく吠える勝己だが、梅雨ちゃんは怯むことなく「ほら」と言っている。
つ、梅雨ちゃん強い……。

しかし勝己への煽りはまだまだ止まらない。



上鳴「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」

爆豪「てめえのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!!」

名前「く、クソを下水でっ、あははははっ!!」



ま、まさか勝己がイジられてる姿を見ることができるなんて!
面白すぎて涙が出てきた。

勝己ってば、意外とイジられる才能ある?



爆豪「テメェは何笑っとんだ少しは否定しろや!!!」

名前「ちょ、ごめ、無理、お腹痛い、あっはっはっ!!!」

爆豪「殺されてえのかテメェは!!!」

耳郎「意外とツボ浅いんだね、名前……」



わ、笑いが止まらない、お腹が痛い!
ツボが浅いというか、一旦スイッチが入るとなかなか抜け出せなくなってしまうのだ。

その間にもバコンバコンと頭を叩かれる。
痛い痛い!!


その騒ぎは「もう着くぞ、いい加減にしとけ」という先生の一声が聞こえるまで続いたのであった。

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