第一章 中学時代〜USJ襲撃事件 | ナノ


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次は、私達の番だ。
核兵器のある部屋に着いた私達は早速作戦会議を始める。



切島「敵チームなんて男らしくねえけど、なっちまったもんはしょうがねえ!勝とうぜ!!」

名前「当然!」



ガツンッと己の拳を硬化して突き合わせる切島。
それを真似て私もガツッと拳を合わせてみる。

地味に痛いこれ、強くやりすぎた。



瀬呂「よし、それぞれの個性を元に大まかな作戦立てようぜ。俺の個性は『テープ』。移動とか遠距離からの拘束とかは持ってこいだな」

名前「えっ、すごいね!拘束できるのは強い!私の個性は『自然現象』だよ。色々細かい制限が多くて面倒な部分が結構あるんだけど、自然現象で起こることは割と何でも引き起こせる!」



私の個性を言うと、二人は目をパチクリさせた。



切島「なんだそれ、強すぎねえか!?つか、風使いじゃなかったのか!」

瀬呂「昨日の体力テスト、風しか使ってなかったよな」

名前「えへへ、まあこれも私の手の内だよ。敵に風使いだと思わせておいて、不意打ちで雷落としたりとかするの」

切島「すっげ、かっけえな!!」

名前「……なんて、今のは建前で、本当は風が一番得意なだけ」

瀬呂「だとしてもすっげえ強えじゃん!」



キラキラとした瞳で2人から見つめられ、なんだか気恥ずかしい。
あはは、と照れ笑いしながら頭を掻く。

すると切島はガチンッと自分の腕を硬化させた。



切島「俺の個性は見ての通り『硬化』だ。対人じゃ強いけど地味だし、お前らと違って遠距離攻撃もできねえ……」



そう言って眉を下げる切島。

確かに変形型は発動型と違い、個性を使っているのかわからない時もある。
クラスメイトにはなかなか派手な個性の人も多いし、切島にとっては少しコンプレックスでもあるのかな?



名前「でもそれって、敵の物理攻撃も防げるってことでしょ?めっちゃ強いじゃん!私ね、絶対に倒れないヒーローって最強だと思うんだ!入試の時も切島の硬化に助けられたし!」

切島「っ!おう!ありがとな!」



私がガッツポーズしながら言えば、切島はパッと表情を明るくした。

良かった、元気出たみたい。



瀬呂「それにしても相手は常闇と蛙吹かー……確か常闇は昨日のテスト5位だったよな?」

名前「うん。あと、梅雨ちゃんの個性は蛙だって言ってた」

切島「蛙か。常闇の方は完全にわかんねーな」



相手の個性の詳細がわからない以上、あまりリスクは犯せないな……。

頭をフル回転させて作戦を立てる。



名前「……よし。多分この中じゃ相手にバレずに近づける機動力があるのは私だと思う。風を使えば瞬時に近づけるし、雲に乗れば足音もしないよ。だから私が梅雨ちゃん達の居場所を2人に知らせて奇襲をかけるね」

切島「おう。じゃあ俺は風花の知らせで応戦するぜ」

瀬呂「そんじゃ俺はテープでトラップ仕掛けたり、核に近づけないようにするわ」

名前「うん、核は瀬呂に任せた!よっしゃ、行こう切島!」

切島「おうよ!」



結構ざっくりとした作戦だけど、まあこんなもんだろう。
あとは臨機応変に、って感じだ。

核のある部屋は結構物が散らかっていて、いろいろな物が置いてある。
その中からちょうどいい長さの鉄の棒を2本、手に取った。



瀬呂「ん?それ使うのか?」

名前「うん、念の為ね」



首を傾げる瀬呂に向かって、にひっと笑ってみせる。

実を言うと私は、近距離の肉弾戦の方が得意なんだ。

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