第一章 中学時代〜USJ襲撃事件 | ナノ


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そして再び、二人は拳を振り上げて立ち向かう。

勝己は手を爆破させていて、出久は……右腕が、昨日の体力テストの時のような輝きを纏い始めた。



切島「先生、やばいって!止めた方がいいって!」

オールマイト「っ!双方、ストッ──── 」

名前「ダメ、待って!!!」

オールマイト「っ!!」



お互いの拳がぶつかり合う ────
と、見せかけて。

出久は、拳を下から上に向かって振り上げた。
その勢いで突風が発生し、その風は天井を突き破っていく。

そして、出久の真上の階にはお茶子が居たらしい。
強風と崩れた建物を利用して個性で瓦礫を浮かせ、ロボ眼鏡君に向かってそれを投げつける。
それを目眩しに彼女もロボ眼鏡君の横をすり抜け、核兵器へと飛びついたのだった。


結果はヒーローチームの勝利。

しかし、ありえないほどにボロボロになった出久の腕を見て私は思わず息を飲む。
他のみんなも、唖然としてその様子を見ていた。

出久は気を失ってしまったようで、運ばれて行ってしまった。



その後、それ以外の3人が戻ってきて講評が始まる。

勝ったのはヒーローチームだけれど、今回のMVPはロボ眼鏡君。
出久とお茶子、そして勝己の後先考えない行動についてはヤオモモの講評でコテンパンに言われていた。



その後も着々と訓練は続いていく。

第2試合はヒーローチームが轟と障子、敵チームが尾白と透。
しかしその試合は轟の半冷半燃というチートのような個性であっという間に決着がついた。

他の試合も順調に進んでいき、いつの間にか私達のチームの番になっていた。



切島「風花ー、そろそろ行こうぜ」

名前「っ!……うん」



隅の方で壁に寄りかかって俯いている勝己。

彼はモニタールームに来てからずっと黙って俯いていた。
彼が今、何を考えているのかがわからない。

なんだか不安になって彼に声を掛けようとすると、切島に呼ばれる。

……ダメだ、そろそろ行って準備しなければ。
作戦も立てなきゃだし。


表情が見えない勝己の様子が心配だったけど、チームメイトに迷惑をかけるわけにはいかない。
不安を振り切るように、私は切島と瀬呂の後を追った。


一旦勝己達のことは忘れよう。
次は、私の番だから!

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