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名前「……あのね」
爆豪「あ?」
名前「……私、さ……」
爆豪「……んだよ。さっさと言え」
少しだけ身を乗り出した勝己の目は、真剣そのものだった。
名前「私さ……
──── ババ抜きやりたいんだよね」
──── ゴ ツ ッ!!!
名前「ぎゃーーーーっ!!やば、今の痛いめっちゃ痛い!!久々に食らった、勝己のマジのゲンコツ!!」
爆豪「ざっけんなクソが!!返せやさっきの時間!!」
名前「えー、ババ抜き楽しいじゃんか!!」
爆豪「二人でやってもすぐに終わるだろうが!!」
名前「た、確かに……じゃあ七並べやろ!!」
爆豪「やらねえよ!!」
──── BOOM!!
名前「うわっつ!!今掠った、掠ったって!!マジで顔狙ったでしょ今!!」
爆豪「チッ、そのまま当たって暫く寝てりゃ良かったのによォ!!」
名前「こわ!!めっちゃ怖いこの人!!」
──── 本当は、あの事を言おうと思ったんだ。
私の、個性の事を。
だけど、直前で怖くなってしまった。
変わってしまった自分が怖くなった。
勝己に嫌われるかもしれなくて、怖くなった。
……だから、もう少しだけ。
もう少しだけ、封印しておく事にした。
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