第一章 中学時代〜USJ襲撃事件 | ナノ


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─── 試験から1週間後、通知が届いた。

結果はまさかの合格。
絶対落ちたと思っていたのだが、どうやらあのロボットを倒すだけが実技の全てではなかったらしい。

なんと、試験の裏項目でレスキューポイントというのがあったのだ。

私の場合、敵ポイントは30pだったがレスキューポイントは45p。
合格しただけではなく、まさかの入試2位という好成績を残したのである。


そして嬉しいことに、勝己はもちろんの事、出久も合格したらしい。

無個性というハンデがあるにも関わらず、あの入試を切り抜けたなんて出久は本当に凄い。
出久は本当に努力家だもんなぁ。



名前「ねー、勝己!」

爆豪「うるせえ、話しかけんな」

名前「ひっど」



ベッドでゴロゴロしている私の横で腕立てをする勝己。

今日は私の家と勝己の家が一緒に合格おめでとうパーティーをしている。
因みに場所は勝己の家だ。

家が隣同士なため、私と勝己が生まれる前から親同士で仲が良かったのだという。

珍しく私の母も帰ってきており、私達の合格を盛大に祝ってくれた。


……しかしこういうパーティーは、最終的には大人の宴会場になるわけで。

騒ぎすぎたのか、嵐太と風優は早々にリビングで寝てしまった。


そして酒を飲んで長々と語り合う大人達に飽きて、私達は勝己の部屋に避難して来たところだ。

もう何度も入っている勝己の部屋。
私がゴロゴロしているベッドには勝己の匂いが残っている。



爆豪「てめぇは鍛えねえのかよ、腹出てんぞ」

名前「失礼な、出てないわ!!今日はほぼ一日剣術と合気道やってたから、体を休めるの」



体を鍛える時に注意しなければならないのは、やり過ぎないことだ。
鍛えなければ筋肉はつかないが、逆に鍛えすぎても壊れてしまう。

一度体が故障してしまえば、そこからはリハビリと故障の繰り返し。
限度は守らなければならない。



名前「ねえ暇」

爆豪「知るか」

名前「ねえ、何かしようよ」

爆豪「筋トレしてんのが目に入らねえのか?目ェイカれてんのか?」

名前「よっしゃ、勝己!バク宙対決だ!!」

爆豪「話を聞けてめぇは!!」

名前「よっしゃいくぜ!ジャ○ーズもびっくりのバク宙見せてやる!」

爆豪「やらねえよ!!てめえの体重でベッド壊れるだろうが、やめろ!!」

名前「失礼だな!?」



どうやらバク宙対決では不満らしい。

うーん、それなら……。



名前「よーし、じゃあ相撲しよ!」

爆豪「何でそうなるんだよ馬鹿か!!体休めるんじゃねえのかよ!!」

名前「いいじゃんやろうよ!ドスコイ風花を舐めんなよ!」

爆豪「誰がやるか馬鹿!!」

名前「えー」



四股踏みまでしてみせたのに、めちゃくちゃ拒否られた。

つまんないの。

あんまりしつこく誘えば本気で怒られるので、諦めて大人しくベッドに腰掛ける。
勝己はというと、筋トレを再開していた。



名前「……ねえ、勝己」

爆豪「んだよ今度は!てめえいい加減に、……」



半ギレしながら私の顔を見た勝己だが、途中で言葉を切った。

多分、私がいつになく真剣な顔をしていたからだと思う。



爆豪「……んだよ、どうした」



筋トレを止めた勝己はこちらへ来て、私の隣に腰掛けた。

ギシッと勝己の重さでベッドが唸る。


……やっぱり、何だかんだで勝己は優しい。

いつも言い合いをしている私達だけど、彼はこうやって真剣に話を聞いてくれる時も多い。

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