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《 名前 side 》
名前「 ──── 勝己ーっ、お疲れーっ!!」
爆豪「うるっせえクソ女!!」
名前「いやいきなり理不尽!!」
筆記試験も終えて、帰り道。
見知った背中を見つけた私はそいつに声をかけた。
しかしそれだけで怒鳴られてしまう。
なんて理不尽な!いつもの事だけど!
名前「どうだった?」
爆豪「は、余裕だわクソが」
名前「ですよね……」
乱暴で自尊心の強い勝己だけど、彼は天才だ。
戦闘のセンスは周りよりも頭三つ分くらいずば抜けているし、おまけに頭も良い。
まあ、勝己は余裕だろうな。
名前「勝己は実技のポイント何点取ったの?」
爆豪「77」
名前「……は?やば」
77って……えぐすぎない?
……あー、これは私ちょっとやらかしたかも。
30pではギリギリ届いているか、落ちているかのラインだろう。
爆豪「……お前は」
名前「……………30」
爆豪「……はぁ?」
呆れたような声が返ってくる。
そりゃそうだ、私はいつも学校では勝己と張り合えるぐらいの成績をキープしていたのだから。
勝己と一緒にワンツーフィニッシュなんて、当たり前のことだった。
爆豪「……何かあったのかよ。体調でも悪かったのか」
どうやら勝己は、私が不調だったと思っているみたい。
……ううん、そんなんじゃない。
名前「……ううん、私の実力だよ」
チッと舌打ちが返ってきた。
……だけど私は、間違ったことをしたとは思っていない。
私はあの場で、正しい行動を取ったという自信がある。
人助けをして落ちるようなヒーロー科なら、それはその程度のものだったということだ。
爆豪「……どうせ何かあったんだろ。てめぇがやらかすとは思えねえ」
名前「……ううん。ヒーローは、言い訳なんてしないから。……ま、なるようになるよ!」
爆豪「……んだよ、それ」
不機嫌そうに顔を歪める勝己に向かって、ニカッと笑いかける。
もし落ちたとしても、雄英に受かることが全てじゃない。
私は私のやり方で、ヒーローになればいい。
名前「さあ!!夕日に向かって走ろう!!」
爆豪「うるっせんだよクソ女!!耳元で叫ぶんじゃねえ!!」
勝己の手を引いて、駆け出す私。
そんな私の背中を夕日が優しく照らしてくれていた。
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