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名前「…………うっ…………?」
後頭部に激痛を感じたことで私は意識を回復し、ゆっくりと目を開ける。
だが、目を開けたはずなのに視界は真っ暗だった。
目隠しのようなものをされている感覚はない。
恐らく、この場所が暗いのだろう。
……いや、それよりも。
名前「うっ………」
今にも吐いてしまいそうな感覚に襲われる。
口に何か、丸めた布のようなものを詰められているらしい。
うえええ、気持ち悪!!吐きそう!!
布を出したいが、吐き出さないように口を別の布でさらに縛られているため吐き出せないのだ。
それに、どうやら床に寝かされているようなのだが、手足も動かせない。
縄でキツく縛られているらしく、少しでも動かせば肌に縄が擦れて痛い。
……なんなの、これ。
SMプレイ?拘束プレイ?
全然趣味じゃないんですけど!!
「 ──── 目が覚めたみてえだな」
突然後ろから声がして、私はギョッとする。
首の向きを反対方向に変えれば、蝋燭とともに1人の男の姿が見えた。
……顔に見覚えはない。
さっきのやつと同じく、恐らく平隊士だとは思う。
何のつもり、と聞きたいが、もちろん布のせいで話すことができない。
てか、声出したら吐きそう。
「何故こんなことになっているか、わかるか?」
……なんとなく、わかる気がした。
私は新選組の屯所に居候させてもらっている身でありながら、かなり幹部と仲がいい。
隊士でもないくせに、目立ちすぎた。
きっとそれが理由だ。
私のことを気に入らない隊士が、私を嵌めたんだろう。
「……心当たりはあるみてえだな」
せめてもの抵抗として、私はそいつをキッと睨みつける。
別に私は八方美人じゃないから、みんなに好かれようなんざ思っちゃいない。
誰に嫌われようが、知ったこっちゃない。
私は、私を好いてくれる人達のところにいればいいだけの話だ。
嫌いならば、関わらなければいいのに。
そんなに私のことが気に食わないなら、言ってくれればよかったのに。
「……わかってはいると思うが、お前には消えてもらう」
ゆっくりと私に近づいくる男。
……これは、さすがにまずい。
私はいよいよ、焦りを感じ始めていた……。
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