桜恋録 | ナノ


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見覚えのある着物。
見覚えのある襟巻き。
聞き覚えのある声。

え、まさか。
ままままま、まさか、これって



名前「さっ、斎藤さんんんんんんっ!?!?」



やべーよいきなり推しメンに会っちゃったよ!
でかした自称神様ありがとう!!!!

……が。


────チャキ…


……何でしょうか、私の目の前にあるキラリと光るこれは。

ひいいいいいいいいっっ!?
刀向けられてる!
大好きなキャラにいきなり敵認識されてる何で!?



斎藤「……何故俺の名を知っている」

名前「(*゚ロ゚)ハッ!!」



し、しまったあああああああああ!!!

興奮のあまり口を滑らせていたああああっ!!!



名前「えっ、いやあの……な、ななな、なにぶんファンなもので!」

斎藤「……ふぁん?異国語か、それは。……それにその服装も見たことがない」



可愛い!!
ファンをひらがな変換する斎藤さん可愛い!!!
こんなこと言ってる場合じゃないけど、刀向けられてるけど!!



名前「ああああ、あの、こっ、これにはいろいろと理由がありまして!!!」

斎藤「……理由だと?」

名前「わわわ、私っ、異世界から来たんです!未来からきた人間なんです!」



目が点になる斎藤さん。
可愛い!可愛いけども!!



斎藤「……確保」

「はっ!」



ん?と思った頃には、私は他の隊士によって縄で縛り上げられていた。



名前「いだだだだっ!!ちょ、ちょっと!?何すんの!?」

斎藤「……屯所へ連れていく」

「はっ!!」



はい喜んで行きます!
……と言いたいところだが、嫌な予感しかしない。



斎藤「……己の最悪を想定しておけ」

名前「いやあああああああ!!!!」



私が来たのは、大好きな薄桜鬼の世界。




(やだやだやだ!まだ死にたくない!)

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