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……あ、やべ!
そろそろ土方さんの所に行かなきゃ殺されるわ。
金平糖のためなら頑張れる!
私はるんたるんたとスキップしながら土方さんの部屋に向かう。
……と、その時。
──── コツン
私の頭に小石が当たった。
名前「 ──── 引っかかったな馬鹿め!!待ちやがれコラァ!!!」
実は私、浮かれて歩いているように見せかけて全神経を周りに集中させて歩いていた。
小石がどこから飛んできたのか、正確に把握するためだ。
予想通り私の罠にハマったそいつは物陰から出てきて慌てて逃げ出す。
おっ、逃げる気か!上等だ!!
同じクラスの剛田くんに勝ったこの俊足を舐めんなよ!!!
うおおおおおおおお!と雄叫びをあげて追いかければ、奴はこちらを振り向いて「ひぃっ!」と情けない悲鳴をあげる。
その一瞬にスピードを緩めてしまったらしく、私は簡単にそいつに追いついた。
そして、
──── ズドーンッ!!
私はそいつの腰に猛突進。
私のタックルを受けたそいつは、まるで大砲に撃たれたかのように数メートル飛んでった。
そして運悪く、その先にあった壁に叩きつけられたというわけだ。
しかも、顔面から。
うっわ音やば、痛そう。
まあ、同情なんてしないけどね、自業自得じゃボケ。
……あっ、やべ。
なんか壁凹んでね?
………いやそれよりも、今はコイツだ。
名前「さあ、洗いざらい吐いてもらおうじゃないの」
私は倒れているそいつの前に仁王立ちする。
全く知らない顔だから、恐らく関わりのない平隊士だ。
さて最初はどこから折ってやろうか、と自分の拳をバキバキと鳴らした時だった。
──── ゴツンッ……
名前「 ──── ぐっ!!?」
突然後ろから頭を硬いもので殴られる。
そして私の意識はそこで途切れてしまったのである……。
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