桜恋録 | ナノ


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私の言葉に、みんなは目をパチクリさせた。



名前「……あれ?だめ?」

原田「……あ、いや、」

藤堂「名前、折り紙できるのか?意外だなー」

名前「どういう意味だコラ」



……どうやらみんな、平助と同じことを思っていたらしい。

失礼だな全く。
料理はできないけど、意外と手先は器用な方なんだぞ。

私は机の上にあった紙を何枚か持ってきて、パタパタと折り始める。



名前「ほれ」

藤堂「……は!?え、今何やった!?」

永倉「一瞬で紙が……」



へへーん!!
どうだ、驚いただろ!!
これは私のちょっとした特技、超高速折り紙だ!!

ちなみに作ったのはカエル。
でも白い紙だとわかりづらいな、カエルは。



千鶴「す、すごい……」

原田「意外な特技だな……」

藤堂「ちょ、おい!もっかい!もっかいやって!」

永倉「どうやったんだ今の!?」



みんな身を乗り出してきて、なんだか可愛い。
火鉢に着物つけないように気をつけてね。



名前「だからー、まずこれをこうするでしょ?」

全員「「「うん」」」

名前「それでこれをこうして」

全員「「「うん」」」

名前「それで、こう」



シュパパパッ



藤堂「いや何でだよ!!」

永倉「み、見えねえ……」

名前「そんで筆で顔を描いて……はい、これ千鶴にあげるね!」

千鶴「えっ?……あ!兎!」



千鶴がパッと目を輝かせた。
我ながら結構可愛くできたと思う。

ありがとう、と言った千鶴は本当に大事そうにその兎を見つめている。
いや可愛すぎかよ!!悶絶しそうなんだが!!!



藤堂「なあなあ!俺にも何か作ってくれよ!」

名前「お、いいよー!何がいい?」

藤堂「なんでも!」



なんでも、かぁ。

それじゃあ、



名前「はい、どうぞ」

藤堂「お、おおお!すげえっ!!……って、これなんだ?鳥か?」

名前「そう。シマエナガ。可愛いでしょ」

藤堂「しまえなが……?よくわかんねえけど、可愛いな!」



シマエナガは私が1番好きな鳥です。

マジで可愛いよねあの子たち。
白いから作ってみたらできちゃった。

ついでに目と羽も描いてあげた、我ながら上出来。

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