桜恋録 | ナノ


3



ハッと我に返った私。


……なんだか変な夢を見ていたな。
テストが終わったから、疲れて帰ってからそのまま寝ちゃったんだ。

ほら、目を開けて周りを見渡せばちゃんと私の部屋、



名前「じゃないいいいいいいいいっっっ!?!?」



何これここどこっ!?

私がいるのは自分の部屋ではなかった。
そもそも、外にいる。
それに、なんだか建物がたくさん並んでいる。

だけど、なんだか現代の建物じゃない。
いやに古臭い建物ばかりだ。



名前「……まさか、ほんとにトリップしちゃったっていうの…?」



周りを見渡すと、たくさんの人が歩いている。

だけどその人達はみんな、着物を着ていたり、髷を結っていたり……。



"神「まあ、でも範囲的には君の知ってるアニメか漫画のどれかだから☆」"



さっきの自称神様の言葉が脳裏で蘇る。

……あれ、私この光景知ってるぞ?
こういう光景のアニメ知ってるぞ?
ってかあれしかなくね?

ゴクリ、と唾を飲み込んだ時だった。



「なんだぁ?こいつァ」

「変な格好の女だな」



突然すぐ後ろから聞こえてきた声に、私はビクリとして振り返る。

そこには、二人のちょんまげが。



「おぉ?でも結構可愛いじゃねーか」

名前「あ、あの…な、何か…?」

「ったく、そんなに足出しやがって……そんなにお持ち帰りされてーのか?」

名前「んなわけねーだろこのハゲ、お持ち帰りされるならもっとマシな男にするわ」



私の学校の制服は、やたらとスカートが短い。
ちょっとだけ古風な所がある私はこの制服が大嫌いだった。

……この人たちからすれば、私は露出狂みたいなモンなのかもしれない。



「あぁ!?てめぇ、優しくしてやりゃあ調子に乗りやがって!」

「このガキが!!」



やべ、怒らせちった (´>∀<`)ゝテヘッ

……だけど、あろう事かその人達はシャキーンと音を立てて刀を抜く。

って刀!!?



名前「待て待て待て銃刀法違反で捕まるよあんたらそんなもの出して!」

「あぁ?何言ってんだこいつ」

「さぁな」

名前「つーかたかが喧嘩で刀抜くとかどんだけ短気なのよ、そんなんだと女に嫌われるよ」

「余計なお世話だ!」

「お前、女だから斬られはしねーとでと思ってんのか!?」

「…ガキが、」


「「ならば死ね!!!!」」



私に向かって、真っ直ぐに振り下ろされる刀。



名前「え、ちょっ、えっ……
ぎゃあああああああああっ!?!?」



えっ、うっそ斬られる!?!?
トリップして早々に死ぬのか私ーーーっ!?

私は反射的にギュッと目を瞑り、身構える。



……が、いつまで経っても痛みは襲ってこなかった。



名前「……あれ……?」



恐る恐るといった感じで私は目を開ける。

──── そこに立っていたのは、さっきのちょんまげではなかった。



?「……怪我はないか?」

名前「………………え、」



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