桜恋録 | ナノ


3



名前「……あ!じゃああれやろ、マジカルバナナ!」

藤堂「まじかるばなな?何だそれ」

名前「……あ、そっか」



未だに私は、今は江戸時代ということを忘れて現代の感覚で話してしまう。



名前「んー、連想ゲーム?みたいな」

藤堂「れんそうげーむ……?」



平助は目をぱちくりさせて私を見てる。



名前「んーとね、バナナといったら黄色!黄色といったらレモン!レモンといったらすっぱい!……みたいな感じ」



だけど平助はますます難しそうな顔をするだけだった。



藤堂「ばななとれもんって何だ?食いもんか?」

名前「あ、そうか」



そういえば、バナナもレモンも明治に入ってから輸入されてきたって歴史の先生が言ってた。
こういうテストには関係ない知識は頭に入ってくるんだけどね……。

うーん、それにしてもゲーム系は江戸時代だと縛りが多いな……。



名前「例えば、柿といえば橙色でしょ?橙色といえばみかん!みかんといえば甘酸っぱい!とか」

藤堂「へぇ、じゃあとにかく物の特徴を連想して繋げていけばいいってことか」

名前「そう!……っていうか、江戸時代にあるものじゃないと難しいよね……」



何がいいかなぁ。
私も平助も知ってて、且つ面白いお題……。



名前「よし決めた!平助、マジカル副長やろ!」

藤堂「え、土方さんでやるのか?」

名前「うん、面白そうだし!あ、平助からでいいよ!はい、マジカル副長!」

藤堂「え、ええ!? ふ、副長といったら……ほ、豊玉発句集!」

名前「……へ?何それ」

藤堂「え、名前知らねぇの?土方さんが詠んだ俳句だよ」

名前「うへぇ、あの鬼の副長が俳句なんて詠むの」



土方さんが俳句……なんか面白い。


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