桜恋録 | ナノ


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名前「……藤堂さんは今日巡察ないの?」

藤堂「オレは今日非番」

名前「そっかぁ」



私はいつの間にか藤堂さんとはタメ口で話すようになっていた。
歳が近いっていうのもあるけど、なんかすごく話しやすいし友達みたいな感じだからかな。



藤堂「……なぁ」

名前「うん?」

藤堂「そのさ、藤堂さんってのやめねぇ?」

名前「うぇ?」

藤堂「平助でいいよ、みんなそう呼んでるし」



そういえば、"藤堂さん" と呼んでいるのは私だけな気がする。
千鶴ですら "平助君" だし。



名前「マジか!じゃあ平助でいい?」

藤堂「ん、そっちのがいい」

名前「やった!」



よっしゃ名前で呼べる権利ゲットしたったあああ!

嬉しいなぁ、ぐへへ。
平助可愛いムフフ。



藤堂「……何ニヤけてんだよ……」

名前「ないしょ」

藤堂「変な奴だよな、名前って」

名前「よく言われる」



私はそう言って、ゴロンと横になった。

「変わってるね」なんて言われ慣れてるわ、元の世界では1日10回は言われてたよ。



名前「……ねえ平助」

藤堂「おう」

名前「暇」

藤堂「誘っておいてもう飽きたのかよ、日向ぼっこ……」

名前「日向ぼっこしてても暇なもんは暇なんだよ〜」

藤堂「んなこと言われてもさ……」



私は、んー、と考え込む。



名前「……そうだ!相撲やろうよ!」

藤堂「え、相撲!?何で相撲!?」

名前「いいじゃんやろうよ!」

藤堂「つーかどうせ体動かすなら稽古にしようぜ、オレが相手してやっからさ」

名前「稽古疲れるじゃん、私午後から斎藤さんにボコボコにされるから体力取っとかないと」

藤堂「相撲も十分疲れるだろ……」



平助が呆れた顔をしているので、私は渋々引き下がった。

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