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原田「……でもよ斎藤、こいつこんな細っこくてすぐ折れちまいそうだし、刀で接近戦よりだったら弓で遠距離戦の方がいいんじゃねえのか?」
名前「失礼だな折れそうだなんて」
すると斎藤さんは静かに口を開く。
斎藤「……その点においては俺も同意だ」
名前「同意された」
斎藤「……しかし、京の町で弓というのは使いにくいのではないか?いつ不逞浪士に取り囲まれてもおかしくはない状況にある。そのような場合、弓では使い勝手が悪いだろう。……それに加え、今は鉄砲というものが存在している。遠距離戦ならそちらの方が有利だろう」
な、なるほど……。
さすが頭の良い人は違うね。
藤堂「でもよー、鉄砲なんてそんな高価なモンねぇしなぁー」
名前「ですよね……」
やっぱり地道に特訓するしかないか……。
溜息を吐いて、木刀を握り直した時だった。
?「 ──── でしたら、苦無はどうでしょう」
名前「うわあっ!?」
突然背後から聞こえてきた声に、私は思わず飛び上がった。
そこに居たのは、
名前「やっ、山崎さん!びっくりした!」
山崎「それは失礼いたしました」
藤堂「そりゃ、名前如きに気付かれてたら監察方なんてやってらんないって!」
名前「如きって何、如きって」
斎藤「……先程、苦無がどうとか言っていたな」
斎藤さんの言葉に山崎さんは、はい、と頷いた。
山崎「苗字さんは弓道をやっていたのでしょう?ならば命中率はそれなりのものだと思います。苦無ならば小さくても相手にそれなりの深手を負わせられますし、遠距離戦にも向いているでしょう。それに、持ち運ぶのにも便利かと」
原田「……なるほどな」
く、苦無……!
苦無ってあれだよね、忍者が投げてるやつ!
名前「なんかすっごいかっこいいですね、くノ一みたいで!私それやってみたいです!」
私はぴょんぴょん飛び跳ねながら言った。
沖田「……こういう時、単純な子っていいよね」
……沖田さんが何か言ったような気がしたけど気にしない。
あ、そういえば、
名前「斎藤さんはどう思います?苦無」
私は一応師匠(?)である斎藤さんに尋ねた。
……もし、反対されたら素直に剣の道を進もう。
斎藤「……良いのではないか?」
名前「……えっ、ホントに!?」
斎藤「ああ、山崎の意見には同意できる。弓よりも使い勝手が良いだろうし、一番手早く身に付けられる護身術だろう」
名前「よっしゃ!決まり!」
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