桜恋録 | ナノ


3


《 名前 side 》


この部屋に引きこもってから1週間ほどが経過した。

……まさか、自分が塞ぎ込んでしまうなんて。

本当に情けない。
一応、鋼のメンタルは持っているつもりだったんだけどな。


……だけど、これからどうすればいいんだろう。
こんな風になってしまって、私はみんなに迷惑をかけまくっている。

それに、みんなに会うのがこわい。
また理性を失って、暴走してしまうかもしれない自分が、こわい。


……それならいっそ、もう私なんていない方がいいかもしれない。
理性を失い、下手をすれば仲間に危害を加えるかもしれない私なんて。


私は、脇差を抜いた。
刃には、私の虚ろな顔が映っている。


……そういえば、ここで死んだらどうなるのかな。
元の世界に帰れるのかな。

きっと私は、この時代には向いていない。
人殺しが日常的に行われているこの時代は、私には合っていないんだ。


これ以上みんなに迷惑をかけるくらいなら、帰ろう。
確証はないけど、少しの可能性を信じて。

そう思い、私は自身の胸に刃を向けた。


そして ────



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