桜恋録 | ナノ


4


──── 翌日。


よし、いけるいける……。

広間に入る前に、私はパシッと自分の両頬を叩いた。

……大丈夫!!!



名前「おはようございまーすっ!!」



私は元気に挨拶をして部屋へ入った。



藤堂「うおっ、名前!もう起きて大丈夫なのかよ?」

名前「うん、大丈夫!昨日はごめんね、せっかく呼びに来てくれたのに追い返しちゃって」

永倉「やっぱり名前ちゃんがいねぇと静かすぎるんだよなぁ!元気になってよかったぜ」

名前「ちょっと!それ私がうるさいって言ってる!?」

土方「……ったく、自分の体調管理くらいしっかりしやがれ」

名前「すみませんでした、もう大丈夫です!」

沖田「馬鹿でも風邪って引くんだねー」

名前「失礼な!馬鹿じゃないから風邪引いたんだよ!……あっ、一君!今日からまた稽古とお勉強お願いします!」

斎藤「……しかし、病み上がりではないのか」

名前「大丈夫!食って寝たら治った!」

斎藤「……そうか」



……よし、思ったよりも大丈夫だ。

お膳の用意された席に座れば、向かいに座る左之さんとは必然的に目が合う。

………大丈夫。



名前「 ──── 左之さん、おはよ!」



ニカッと笑って見せれば、左之さんは少し驚いたような表情になる。

だけどすぐに、彼の眼差しは優しくなった。



原田「……ああ。おはようさん、名前」



……ほら、全然大丈夫だ。
私が気にしすぎただけなんだよ、きっと。

それに今日は、昨日休んだ分頑張らなくては。

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