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──── 全員のお膳を下げて食器を片付けた後、私はお粥を作って名前の部屋へ向かった。
千鶴「名前、大丈夫?」
名前「………ち、づる、?」
声をかけると、名前の声が返ってきた。
だけど、その声があまりにも弱々しくて、ドキリと心臓が跳ねる。
もしかして、かなり体調が悪いのだろうか。
千鶴「うん。お粥持ってきたんだけど、食べない?」
名前「…………食べる」
千鶴「入ってもいい?」
名前「…………うん」
……だけど私は、部屋に入って衝撃を受けた。
名前「ち、千鶴ぅぅぅーーーっ!!」
千鶴「っ!?ど、どうしたのその目!?」
名前の目は充血し、酷く腫れていた。
目の隈も酷く、頬には涙のあとが残っている。
それになんだか、顔もむくんでいる気がする。
私が慌ててお粥を置いて名前の元へ駆け寄れば、名前は私に抱き着いてくる。
そしてそのまま、ボロボロと泣き出してしまった。
千鶴「名前、手拭い持ってくるから少しだけ待っててくれる?」
名前「う、ひっく……うん」
千鶴「すぐ戻るからね、待っててね」
そう言って私は、大慌てで手拭いを取りに行くのだった……。
────フー、フー……
モグモグ……
それから名前は、少ししてからお粥を食べ始めた。
やっぱりお腹は空いていたみたい。
だけど食べながらも時々、腫れた目からは涙が溢れてくる。
私はただただ、名前の背中をさすることしかできなかった…。
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