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──── 私と君菊さんが来てから1時間弱。
藤堂「Zzz………Zzz……」
永倉「ゴー……ゴー……」
名前「いや早すぎだろーが!!!」
平助と新八っつぁんが撃沈した。
いつも私の部屋でガバガバ飲んでる2人とはまるで別人のようだ。
まだお銚子3杯も開けていないのに、もう2人には酔いが回ってきたらしい。
名前「え、何なのこの人たち。島原じゃこんなに早く潰れるの? どんだけ女に弱いの?」
原田「いや……いつもならもうひと騒ぎしているんだが……」
左之さんも苦笑いして、気持ちよさそうに眠る2人を見ている。
原田「お前の女の格好が見れて、嬉しかったんだろうよ。此奴らはお前のこと、妹みてえに可愛がってるからな」
名前「……そ、そうなんだ……」
私も左之さんにつられて苦笑いする。
すると、君菊さんがスッと立ち上がった。
君菊「お銚子が空になりましたのでおかわりをお持ちしますえ」
原田「ああ、すまねぇな」
名前「え…?」
あれ、お銚子ならまだここに……。
名前「あの君菊さん、お銚子ならまだありますけど……」
すると君菊さんは私に近づいてきて、こっそりと耳打ちをした。
君菊「……おきばりやす」
名前「……え、何を!? ねぇ何を!?」
君菊さんはニコリと微笑んだだけで、そのまま部屋から出て行ってしまった。
ええ……どゆことこれ……。
この部屋には私と左之さんと、酔いつぶれた平助と新八っつぁん。
実質、左之さんと2人きりだ。
……ん? ってことは……。
バチリ、と左之さんと目が合う。
……ま、まさか。
名前「……君菊さああああああん!?!?違います誤解です戻ってきてくださあああああああああああい!!?」
慌てて襖を開けて大声で呼んだけど、もう遅かった。
君菊さんの姿はもうどこにもない。
やべーよ絶対何か勘違いさせたよ!!
何でかわからないけどそういう仲だって思われてる感じだよこれ!!
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