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沖田「 ──── 近藤さん、入ってもいいですか?」
近藤「おお、総司か!どうした?」
沖田さんが声をかけると、部屋の中からはいつもの明るい近藤さんの声がする。
やっぱり幹部の人と一緒じゃないと近藤さんの部屋には入りにくいんだよね、社長室に入るみたいなものだし。
ましてや、ただ布があるか聞くだけっていうくだらないことで入るのはちょっと気が引けるし。
部屋に入れば、近藤さんは休憩中だったらしくお茶を飲んでいた。
近藤「ん?苗字君も来てくれたのか、珍しいなぁ」
名前「こんにちは、近藤さん」
沖田「名前ちゃん、白くて長い布を探してるんですって。近藤さん持ってません?」
名前「褌以外でお願いします」
近藤「む?あ、ああ……」
私の言葉に近藤さんは少し目を丸くするが、快く了承してくれた。
そして押し入れから白い布を取り出してくれた。
近藤「これで良いかね?」
名前「やった!ありがとうございます!やっぱり近藤さんは沖田さんとは違いますね」
沖田「ちょっと、聞き捨てならないんだけど」
近藤「うむ、仲が良いみたいで何よりだ」
これのどこが仲が良いんだ、と言いかけたが、近藤さんが本当に嬉しそうなので言わなかった。
沖田「 ──── ところで、その布何に使うの?」
近藤さんの部屋を去ると、沖田さんが不思議そうな顔で聞いてきた。
名前「うーんとね、ちょっとこれ持ってて」
私は沖田さんに布を預けると、髪の結び目を左下から右下に変える。
そしてマフラーのように白い布を首に巻いた。
名前「ジャーン!!」
沖田「……何、一君の真似?」
名前「よくぞ言ってくれた!これで一君ごっこしたいなーと思って」
沖田「………君って本当に頭おかしいよね」
名前「失礼だな!私、一君のモノマネ習得したんだから!!」
沖田「へぇ、やってみせてよ」
名前「千鶴の所に行ってからね」
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