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その後尋問から解放された私は、空き部屋に放り込まれた。
一応縄も解いてもらえたし、良かった良かった!
とりあえず、うろうろ部屋の中を探索してみるけれど、残念ながら何も無い。
それもそうか、空き部屋だし。
早速暇を持て余して、部屋の中を歩き回っていると。
千鶴「 ──── 失礼します」
!!!( ゚д゚)ハッ!!!!
こ、ここ、この声は……愛しの千鶴!!
名前「ひゃっ、ひゃいっ!!」
やっべ、嬉しさのあまり声裏返った!!恥ずかし!!
少し間が空いて、するすると障子戸が開く。
そこには予想通り、愛しの千鶴がいた!!
千鶴「あの……土方さんから、苗字さんに厠と湯浴み場を案内するように言われて来たのですが……」
名前「あっ、はいはーい!行く行く!ちょうど暇してたの!」
千鶴、なんて礼儀正しい子なんだ!!
こちらです、と言いながら丁寧に案内をしてくれる。
それに他の人達と違って殺気とか向けてこないし!
ああ、やはり私の千鶴は千鶴だった!!
愛してるよ!!
そして今は、この子と仲良くなる絶好のチャンスだ!!
名前「ねえねえ、千鶴って呼んでもいい!?私、堅苦しいの苦手でさ」
千鶴「えっ、?は、はい!」
名前「千鶴も私のことは名前って呼んでよ!敬語もいらないし!」
千鶴「え……で、でも……」
戸惑ったような表情を見せる千鶴。
やべっ、さすがに押せ押せ苗字すぎたか!?
だけど千鶴は、ふわっと可愛らしい笑みを向けてくれた。
千鶴「わかった。実は私も事情があって新選組の皆さんにお世話になっている身なの。だからこれからよろしくね、名前」
名前「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!」
はうぅぅ、可愛い!!!
千鶴の笑顔が私の心にクリティカルヒット!!
名前「うん、よろしくね千鶴!」
悶絶しそうになるのを何とか堪えて、私は満面の笑みを浮かべた。
(新しい生活が始まる)
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