桜恋録 | ナノ


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──── 目の前には、楽しそうに笑う2人の女の子。


名前「何ここ天国?」









こんにちは、苗字名前です。

先程は千姫の優しい心遣いによって救われました。
今は千鶴の部屋で、私と千鶴と千姫でおしゃべり中です。

まさか、こんな所で推し達と女子会ができるとは……!



千姫「 ──── そうだ!私、さっき名前ちゃんに渡しそびれたものがあって。それもあってここに来たの」

名前「えっ、私に?」



千姫はそう言うと、懐から2つの小さな箱を取り出した。
そのうちの1つを私に差し出してくれる。



千姫「これ、よかったら貰って?」

名前「えっ、ありがとう!」

千姫「はい、こっちは千鶴ちゃんに」

千鶴「えっ、私にも?ありがとう、お千ちゃん!」



なんだろう?

ワクワクしながら箱を開けると、中にはとても綺麗な模様が施された紐が入っていた。
その色も、澄んだ青色でとても綺麗だ。

これって……。



名前「……もしかして、下緒?」

千姫「ええ。名前ちゃんが青で、千鶴ちゃんが赤の色違いにしてみたの」

名前「えっ、千鶴とイロチ!?」



千鶴がもらった箱を覗き込めば、私が貰ったものと同じデザインの、赤い下緒が入っていた。

え!!!千鶴とオソロのイロチとか嬉しすぎるんだが!!!



名前「えええ!!すっごい嬉しい!!ありがとう!!」

千鶴「私も嬉しい!本当にありがとう、お千ちゃん」

千姫「いえいえ、喜んでもらえてよかった!」

名前「ね、千鶴!付けてみようよ!」

千鶴「うん!」



結び方がわからないので、千鶴に私の分も付けてもらった。

千鶴の刀には赤い下緒、私の刀には青い下緒。
め、めっちゃいい……!!千姫センスありすぎる!!!



千姫「……さて、下緒も渡せたことだし、私はそろそろ帰ろうかな」

名前「えっ、もう帰っちゃうの?」

千姫「ええ。あんまり長居するわけにはいかないわ。迎えも来ているし」

千鶴「そっか……外まで送るよ」

名前「私も!」

千姫「ありがとう」



楽しい時間は本当にあっという間だ。


迎えに来ていためちゃくちゃ美人なお姉さんに連れられて、千姫は帰って行った。

確かあのお姉さんは、君菊さんだったかな?
お美しすぎました。

Wik○pediaによると、私と君菊さんは同い年らしいです、信じられません。

あと、またね、と手を振ってくれる千姫の姿がめちゃくちゃ可愛かったです。



千鶴「私、夕餉の支度してくるね」

名前「あ!私もやる!」

千鶴「えっ、いいよいいよ!名前、疲れたでしょう?ゆっくり休んで」



でも、と言いかけたが、なんだか急に体がズッシリと重くなった気がする。



名前「……ごめんね。じゃあ今日はお言葉に甘えさせてもらおうかな」

千鶴「うん!今日は本当にお疲れ様!」



また後でね!と言って千鶴は走って行った。

天使たちとの会話でめちゃくちゃ癒されたけど、体の方はやっぱり疲れきっているみたいだ。


夕餉までちょっと寝るか、と思い部屋に向かっていた時。


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