銀桜録 試衛館篇 | ナノ


3

名前「ちょっと総ちゃん、新八さん!笑いすぎ!めちゃくちゃ痛かったんだからね、目飛び出るかと思ったんだからね!」

沖田「目が飛び出るっ、あはははは!!」

名前「ちょっと!!」


ぷくっと頬を膨らませて怒る様子はまるで栗鼠のようだ。
ごめんごめん、と沖田はいつもの如く反省していない声色で謝った。


名前「乙女の額にたんこぶなんて!」

沖田「乙女?誰が?」

名前「酷いよ総ちゃん!!」

原田「相変わらず土方さんはお前にも容赦ねえな……」

名前「本当、そうだよねぇ!さっきの悲鳴だってわざとじゃないのに!」

藤堂「それは日頃の行いのせいなんじゃ……」

名前「うるさいなぁ!」


言われてみれば確かに藤堂の言う通り、日頃の行いのせいなのだろう。

名前はよく沖田と一緒になって土方に悪戯を仕掛けているのだ。
女子で、しかも近藤の妹であるにも関わらず容赦なく拳骨が降ってくるのは、確実にそのせいだろう。


名前「……おっと、そろそろ畑やらなきゃ!じゃあまたね、みんな」

永倉「おう、いつもありがとよ」

名前「うん!」


名前は額のたんこぶを擦りながら、パタパタと走って道場を出て行った。

その場に残った者達は、皆優しい眼差しで小さな彼女の後ろ姿を見送っていた……。

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