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先輩後輩事情








「宍戸先輩!」




朝、大好きな宍戸先輩を見かけて声をかけた





きっと部活が終わったばかりなんだろう。
少し汗をかいていた




「おう、なな。はよ」





素っ気ないけど、挨拶をしてくれて嬉しくなった






「おはよーございます!!部活終わったんですか?」






「あぁ、今日は大変だったんだぜ?忍足のせいでグラウンド50周もさせられてよ〜」






私と宍戸先輩は校舎に向かいながら歩き出す






話によれば、忍足先輩が跡部先輩を怒らせてしまい、とばっちりをくらったレギュラーの人がグラウンドを走らされたらしい





「大変でしたね!お疲れさまですっ!!」






「本当だぜ…。サンキューなっ!」






そう言って笑った宍戸先輩の顔は、一瞬凄く輝いて見えた






私、やっぱり宍戸先輩が好きなんだ…

「あ、じゃぁ俺はこっちだから」






いつの間にか、校舎の中央の階段の前にいた





1年生と3年生の教室は、見事に端と端に分かれている






だから、一度教室に入れば、会うことは絶対にない







「…はい、さようならです!」






本当はもっと一緒に居たい。






けど、彼女でも無い私が言えるようなことじゃない






所詮、私の片思い…





「おう。じゃぁな!なな」






でも、私の名前を呼んでくれるだけで、凄く嬉しい。






私がもう少し早く生まれてたら、同じ教室に行けたのに…






去っていく宍戸先輩の背中を見ながら、私はそっと神様を恨んだ…







離れた教室
(もっと側に居たいのに)



*お題提供
雲の空耳と独り言+α




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