name change秘めたる想い
「ななっ!まだか」
「今作ってるから待っててよ!!」
2月14日・バレンタインの日の夕方、お隣さんで幼なじみの雅治が私の家に来ていた
今日がバレンタインだということをすっかりと忘れていた私は、義理チョコは勿論、友チョコすらも作っていなかった。友達はみんなホワイトデーでいいよ。とか、明日でもいいから。と優しい言葉をくれたのに雅治だけは不機嫌な顔をしたあときっぱりと言い切った
「今日じゃないと嫌じゃ」
「だいたいさぁ、何で私が作らなきゃいけないのよ!雅治なら女の子から沢山貰ってるでしょ!?しかも本命ばっかり」
「………………………貰っとらん」
今の間は何だっ!?今の間はっ!!!
「はぁ…」
雅治の言葉に、私は今日、何度目か分からない溜め息をはいた
「"TO MASAHARU"っと!!出来た!!!」
ホワイトチョコペンで雅治の名前を書き終え、テーブルに乗ったチョコを見て、私は笑った
「我ながら上手く出来たなぁ…。雅治ー出来たよー」
出来上がったばかりのチョコを持って、私は雅治が居るであろうリビングに向かった
「雅治ー!雅治ー?もぉ、返事くらいしてよね……寝てるし…」
ヒョコっとソファを見ると雅治が寝ていた
「(テニス頑張ってるもんね…)」
私は寝ている雅治の頬にそっとキスをした
「(お疲れ様。雅治)」
秘める想いは同じ
(寝てる雅治、かわいー)(zzZZ)
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