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記憶の欠片(跡部)






あの日交わした約束を貴方はまだ…


覚えてますかー…?


「景ちゃん!!」


まだ幼稚園に入りたての頃だろうか…


緑輝く景ちゃんの家のテニスコートで私は、毎日景ちゃんを見ていた


「なまえ?」


「おつかれさまっ!」

ニコニコと笑ってタオルを差し出せば、景ちゃんも笑ってタオルを受け取ってくれた



この頃から、景ちゃんはテニス一筋で毎日テニスをしていた。私もそんな景ちゃんが大好きで毎日テニスをしてる景ちゃんを見ていた


「ねぇ、景ちゃん」


「あん?」


「テニス好きぃ??」


「ぐもんだなっ」

「ぐもん???」


何気ない景ちゃんとの会話に出てきた単語に私はキョトンとしたのを覚えてる


「"おろかなしつもん"ってことだ」


「おろかなしつもん??なまえ、おろかなしつもんした?」



「テニス好きかって聞いただろっ!」


「あ!」


「おれさまにとって、テニスはいきがいなんだっ!好きに決まってるだろ」


「そっかぁ!じゃぁさぁ、なまえとテニスどっちが好き」


「なまえとテニス…?」


「うんっ!!!」


「…なまえにきまってるだろ」


「!!!なまえもっ!なまえも景ちゃん好き!大好きぃ」



「じゃぁ、けっこんしようぜ」


「けっこん?」


「ずーっと、一緒に居るってことだ!」


「うん!なまえ、ずっと景ちゃんと一緒にいる!!!」




あれから、十年


私と景ちゃんは、今でも一緒に居る


「なまえ!帰るぞ」


校門で昔の事を思い出しながら景ちゃんを待っていると、部活を終えた景ちゃんがきた。景ちゃんの姿をみた私は、幼い頃の思い出と重なり自然と頬が緩んだ


「何笑ってんだ?」


「なーんでもない!!」


「あん?」


「ねぇ、景ちゃんっ!私たち、これからもずーっと一緒だよねっ?」


小走りで景ちゃんを追い越した私は、振り返って景ちゃんに聞くと、景ちゃんは優しく笑った


「当たり前だろ」




幼き日の面影
(ずっとずっと大好きだよ!景ちゃん)(あん?当たり前だろ?)





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