name changeひだまり(芥川)
太陽が一番高い所にある時間が私にとって一番幸せな時間だと感じたんだ
「慈郎ちゃーん」
お昼休み、私は彼が寝ているであろう中庭の木陰へと向かう
「慈郎ちゃんっ!」
一番大きな木を覗きこめばそこには、気持ちよさそうに寝ている慈郎ちゃんがいた
「慈郎ちゃん、起きてー慈郎ちゃーん…」
慈郎ちゃんの体を揺すって起こそうと心みるが、まったく起きる気配がない
「起きてよー慈郎ちゃん…なまえが来たんだよ…」
最近の慈郎ちゃんは部活で忙しく、デートなどまったく出来ていない。だから、せめて昼休みはと思い、こーして慈郎ちゃんに会いに来たのだが、本人がこれでは悲しくなってくる
「慈郎ちゃん…」
揺すっていた手を止めもう一度名前を呼ぶが、返事は無い
「もう慈郎ちゃんなんか知らないっ!!」
諦めて教室に帰ろうとした時、思い切り腕を引っ張られた
「きゃっ…!」
衝撃に耐えるために目をギュッと瞑ったが、きたのは痛みでは無く、大好きな彼の匂いだった
「じ、ろ…ちゃん?」
「んー…なまえも一緒に寝るC」
慈郎ちゃんは寝ぼけながら言うと私をギュッと抱きしめた
少し苦しいけど、嬉しくて自然と頬が緩んだ
「慈郎ちゃん…す、き…」
ポカポカとした日溜まりの中で、私は眠気に誘われた
意識が落ちる前、俺もなまえが好き、と慈郎ちゃんの口から聞こえた気がした
二人寄り添って
(あん?慈郎となまえの奴いつまで寝てる気だ?)(ホンマ、幸せそうな顔して寝とるなぁ)
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