name change
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「どーゆー事だよ?名前に何があったんだよ!!」


珍しく宍戸も忍足に詰め寄る


「わからん…けど、何らかの事件に巻き込まれたには違いないと思うんや」


忍足の言葉に皆が黙る


「名前と一緒に出かけてる奴…危ないんじゃねぇ?」



静かな室内に慈郎の声が響いた


「マジかよ…」


「早く行かないと、名前ちゃんがっ」

皆が慌ただしく動く中、跡部は一人冷静だった


「んーんー」


「やっぱり、可愛いな〜名前は」


名前は鈴木の下で押さえつけられていた


「やだっ…やめっ」


ポロポロと涙を流す名前を見て鈴木は笑った


「誘ってるの?」

「!!」


名前が目を見開くと同時に鈴木の顔名前の顔に近づいてきた



「…やっ…!!」


触れるまで後数センチのところで部屋の扉が開いた


「「「「名前!!!」」」」
名前と鈴木の姿をみたR陣はすぐさま鈴木を退かし名前を助けた


「大丈夫か?名前」


「もう平気だC」


心配するR陣に囲まれた名前は、更に涙を流し、近くにいた忍足に抱きついた


「ふっ…せん、ぱっ…ふ……」


泣きながら抱きついてきた名前を忍足は優しく背中を撫でた


「怖かったな…もう大丈夫やで」

「おいっ!お前、名前をこんな目に会わせて、氷帝に居られると思うなよ?」


「最低だC、二度と名前の前に現れないでよねー」


「人として最低ですね」


R陣に攻められた鈴木は、何も言わずに立ちすくんでいた



「帰ろうぜ?名前っ」



「いこー!!」



忍足の隣で見ていた名前の手を岳人と慈郎が掴んで部屋を飛び出した
それに続くように後ろから忍足達もついてくる


「早く帰って、俺達と遊ぼうぜっ!!」


「俺、お腹すいたC」


名前の手を引いてグングン進んでいく


「あのっ…何でここに居ることがわかったんですか?」


玄関を出る手前で名前は止まり岳人と慈郎に聞いた


「あぁ…それは跡部が調べたんだよ」


「俺達が焦ってたら跡部一人だけ冷静に名前の携帯から居場所を探したんだC」


「お兄ちゃんが…それで、お兄ちゃんはどこに居るんですか?」

「跡部なら外におるよ、今の俺には名前に会う資格無い、言うてな」


忍足が苦笑いしながら指を指した。それを見た名前は走って玄関の外へ向かった



バンッ


外に出ると、塀にもたれ掛かってる跡部がいた


「お兄ちゃんっ!」


「名前…」


「ごめんなさいっ!私…心配かけて、ごめんなさいっ!!」


「無事で良かった」


名前が泣きそうな顔で必死に謝ると、跡部は名前を抱きしめて安心したように言った「お兄ちゃんっ…ふっ…ふぇ、っ…ふっぅ…」


大好きな兄の温もりを感じた名前は、安心したのかまた泣き出した


「ふっ…お兄っちゃ、ん…ふぇ……」


「悪かった、名前……。俺は、小さい頃から忙しい両親の代わりに名前を守るって決めてたんだっ…!だが…そんな俺の誓いは…お前を縛り付けていただけなのかもな……。悪かった」


名前をしっかりと抱きしめ、どこか弱々しく言った跡部に名前はギュッと抱きついた



「私っ…苦しくないよ…、お兄ちゃん、に…縛り付けられてたなんて…思ってないからっ!!だから、だから……嫌いにならないでっ……!!」



弱々しい跡部を見て嫌われると思った名前は、泣きながら跡部に言った


「バーカ…嫌いになるかよ…」


跡部が笑って名前の頭を撫でると名前もつられて笑った


嫌いにならないで?
(なぁ、侑士…あいつら完全に俺達の事忘れてるよな)(まぁしゃーないやろ、あの二人にとって初めての喧嘩やったんやし)






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