name change18
部活の最中も、帰りの車の中でも、夕食の席でも、跡部が名前と話すことは無かった
「どーしよぉ……」
名前は自室のベッドに座り、大きなテディベアを抱いて悩んでいた
「あんなお兄ちゃん、初めてみた…」
冷たい跡部の態度を思いだし、テディベアを強く抱きしめた
「…鈴ちゃんに相談しよう」
名前は携帯から、鈴の名前を開くと電話をかけた
トゥルルルル
トゥルルルル
『もしもし?』
「鈴ちゃん…、どーしよぉ」
『ちょっ!!名前っ!?どうしたの?』
名前は、電話越しで困った声を出した鈴に今日あった出来事を話した
『ふ〜ん、あの跡部様がね…』
「うん、あんなお兄ちゃん、初めてみた」
『まぁ、跡部様の言いたいことも分からなくもないけどね』
「え?」
『でも、いいんじゃない?鈴木くんと出かけても。鈴木くんいい人だし』
「そうだよね…しょうがないよね」
『そうそう、社会勉強だと思って、一人で外に出ることも大切だよ』
「うん、わかった!やっぱり行くよっ!ありがとう、鈴ちゃん」
『どういたしまして。ねぇねぇ、それよりさ、芥川先輩ってミルクチョコ好きかな??持っていったら食べてくれるかな??』
「う、うん…」
『だよねっ!!よかったぁ!それでね…』
その後、1時間近く名前は、鈴の話を聞いたのだった
すれ違うココロ
(きっと、明日にはいつものお兄ちゃんになってるよね?)
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