name change05
「次いくでー」
あの後、あたしはりんちゃんと一緒にベンチに座ってテニス部の練習をみていた
「名前ちゃん」
「なに?」
「名前ちゃんは好きな人とか居てへんの?」
彼女は笑顔であたしに尋ねる。もちろん彼女に悪気はない。けど、蔵が好きなあたしにとって彼女のその言葉はあたしへの自慢にしか聞こえなかった。
「いないよ。」
「そうなんだ〜。名前ちゃんかわええのに…」
「そんなことないよ、」
「もし好きな人が出来たら言うてな?私、協力するから!」
ダブルデートとかもしてみたいな〜。なんて嬉しいそうに話す彼女にあたしの居場所がどこにあるのか不安になった。
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