name change
03








「みんなー頑張って!!」



りんちゃんはテニスコートの中にあるベンチに堂々と座っていた。
一般の生徒なら入ることの出来ないコートに入ることは許されないが、“蔵の彼女”だから許されているに違いない。


いつもなら、あたしがそこに居るのに。蔵の幼なじみであるあたしだけが特別に入れた場所なのに…


「名前ー!!」


あたしが、フェンス越しにテニスコートを見ていると、あたしに気づいた金ちゃんが走りながら近づいてきた。


「金ちゃん…」


「どないしたん?中入らんの?」

「え?だって、りんちゃんがいるから…それに、関係ないあたしは入れないでしょ」


眉を少し下げて聞いてきた金ちゃんをあやすように言うと金ちゃんは、あたしの腕を引っ張りコートへと入っていく。


「金ちゃん?」


「名前は関係なくなんてない!!」


「?」


「だってワイ、名前の事好きやもん」

そう言って金ちゃんは笑った







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